近江商人発祥の地にて1872年(明治5年)創業。1945年、敗戦の混乱と物不足の時代に栗饅頭が好評となり、たねやの基本づくりとなります。
琵琶湖をはじめ自然に育まれた風土の中に感性を磨き、創意工夫を重ねた美味を生む菓子匠です。旬や季節感、日本の歳時を大切にする「たねや」の、素材本来の旨みを存分に引き出したお菓子をお楽しみください。
芳ばしい最中種に米どころ近江の近江羽二重、あわせる餡には厄除けの願いをこめて紅小豆。そして餡につつむのは豊かな実りの富久實(ふくみ)餅。 焼きたての芳ばしい最中種に、みずみずしい餡をはさんで食べる。それは長いあいだ職人だけが知るおいしさでした。最中種と餡の装いを二つにわけ、お召し上がりの直前にあわせていただく手づくり最中。たねやを代表する銘菓です。
創業以来、ご愛顧いただいております栗饅頭は、素朴な味わいのひとつ一つに職人が守り伝えてきた深い味わいがあります。焼き色もこうばしく、栗を刻み入れた白餡を包んだ栗饅頭はしっとりとした味わい。それは、移り変わる時代時代に応じて見極めてきたものです。創業より守り伝えてきた変わらぬ味をお楽しみください。
名前にある斗や升の文字は、水や穀物などの量をはかる「枡」のことです。「ますます」の言葉に升の字をあてるのは昔からある言葉遊びのひとつ。判じ物とも呼ばれるこの遊びは、文字の中にもうひとつの意味をこめたものです。「二升五合」の判じ物では、二升は升がふたつで「ますます」。五合は一升の半分で「はんじょう」。続けて読めば「ますますはんじょう」という意味になります。ますます繁盛、ますます幸がおとずれますようにと願いをこめた、枡のかたちの最中です。
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