ドメーヌの創設は1880年。初代シモン・ビーズがわずかばかりのブドウ畑を耕作して始めました。1950年に孫の3代目シモンがドメーヌを継承すると、ブドウ栽培のみならず、醸造家としての才能にも恵まれた彼は、戦後の経済復興もままならぬ中でドメーヌ元詰めを決意しました。ドメーヌ・シモン・ビーズのワインは高く評価され、レストランのシェフやソムリエ、さらにワイン愛好家の間で広まっていきました。そして1972年にドメーヌを引き継いだのが、3代目シモンの息子、パトリックです。彼はドメーヌの名声をさらに高めると同時に、ブドウ畑を大きく拡張しました。そして1998年、パトリックは日本人女性の千砂さんと結婚。長男ユーゴ、長女ナスカというふたりの子どもにも恵まれたものの、残念なことに2013年10月、61歳の若さで他界してしまいました。その後ドメーヌの舵取りは千砂さんと、パトリックの妹で、ヴォーヌ・ロマネのドメーヌ・ジャン・グリヴォに嫁いだマリエルに委ねられています。1級畑のゲットやヴェルジュレスのある丘の、すそ野に位置するこの村名畑は、南向きの好条件。ビーズ家3代でそれぞれ植えた樹が育っています。熟したラズベリーと赤スグリの香り、しなやかな果実味を感じさせるワンランク上の村名サヴィニー・レ・ボーヌです。