―まずは改めて、ブランドの紹介をお願いします。
難波さん:“ガナッシュの魔術師”と称えられる創始者ロベール・ランクスによって、1977年にパリのフォブール・サントノレ通りに誕生した高級チョコレート専門店です。なめらかな口溶けと繊細な味わいで、世界的にも高い評価をいただいています。
―ブランド名を直訳すると「チョコレート屋さん」になりますよね?
難波さん:そうなのです。ショコラティエ自身の名前を冠していないブランドとしては先駆け的な存在で、ショコラトリーやチョコレートメゾンといった概念がまだなかった時代に誕生したので、そういった名前が付けられました。
―なるほど。では今年のバレンタインコレクションをご紹介ください!
難波さん:今年のテーマは「オ クール ドゥ パリ」。夕日に染まる晴れやかなパリの街並みをイメージしたコレクションで、こちらは8粒入りのアソートです。

―どのような理由でこのテーマに決まったのですか?
難波さん:いまはパリに行ける機会がなかなか無いということもあり、よりパリをイメージしやすいような味やパッケージにすることでパリを訪れた気分を味わっていただければという思いで、M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)ショコラティエのニコラ・クロワゾーが考えました。
―では中身の説明をお願いします!
難波さん:4種類が入っていて、すべてが今回のための新作レシピです。

難波さん:まず、自慢のガナッシュはこちらの2種類です。

難波さん:茶色いラインの入った「クレール オプスキュール」は、グレナダ島産カカオのダークチョコレートを絶妙にブレンドしたミルクチョコレートのプレーンなガナッシュで、ダークとミルクの明暗の妙で夕暮れ時の淡い光を表現しています。白いラインの入った「オール ドゥ パリ」は、パリで採取されたハチミツを使って風味をつけたダークガナッシュです。よりパリを感じていただくために考案され、カカオとハチミツがちょうどいいバランスでマリアージュしています。
―見た目はシンプルですが、味わいは複雑そうですね。
難波さん:はい。そしてあとの2種類もなかなか個性的です。四角い方の「ヴァニーユ アンヴタント」は、マダガスカル産バニラの風味をつけたダークガナッシュとインド・マラバール産ブラックペッパーを使ったプラリネを重ねたもの。バニラとブラックペッパーの奏でるノートが、燦々と太陽が降り注ぐ光景を浮かび上がらせます。

難波さん:そしてハート型の「クール ルミヌー」は、太陽に向かって咲くヒマワリの種を用いて輝きを表現したプラリネです。キャラメリゼしたヒマワリの種を混ぜ込んだアーモンド&ヘーゼルナッツのプラリネを、ミルクチョコレートでコーティングしています。

―食べ方のアドバイスなどはありますか?
難波さん:まず半分くらいをひと口かじって口の中でとろけるまで待ち、アロマや味の移り変わりを見つけ、そして余韻を味わってください。それらを認識した後にもうひと口を食べることで、奥深さがより実感できて楽しみもより広がると思います。
―ゆっくりじっくり味わった方が、よりチョコレートの個性を味わえるということですね。
難波さん:あとは食べる順番も大事で。濃厚なプラリネから食べてしまうと濃い味が口の中に残ってしまうので、できればプレーンなガナッシュから始めて、最後にプラリネを味わっていただきたいですね。もちろんコーヒーやワインとも相性は抜群ですが、純粋にチョコレートそのものの味を楽しむのであれば、ミネラルウォーターなどで口の中をリフレッシュしながらがおすすめです。
―ちなみに難波さんのお気に入りはどの粒でしょう。
難波さん:個人的には、ダーク系が好きなので「オール ドゥ パリ」ですね、昨年10月にニコラが来日した際に、彼のハチミツにまつわるエピソードや想いを聞かされたことにかなり影響されていますが(笑)

―(笑)では最後に、お客様に向けてのメッセージをお願いします。
難波さん:沈む陽光を浴びて黄金色に輝くパリ中心部の街並みが眼下に広がる、そんな光景を思い起させる味わいとパッケージを通して、チョコレートを堪能する晴れやかなひとときをお楽しみください!