話題のブルガリア・ワイン「エニーラ」を手がけたのはサンテミリオンのプルミエ・グラン・クリュ・クラッセBである、ラ・モンドットやシャトー・カノン・ラ・ ガフリエールを始めデギュイユ、ペイロー等を所有する欧州一の名門ハプスブルク家の末裔ステファン・フォン・ナイペルグ伯爵です。ステファン・フォン・ナイペルグ伯爵は85年にサンテミリオンに移り住み、ラ・モンドットやカノン・ラ・ガフリエールを購入後、短期間で世界最高レベルにまで品質を引き上げた事で知られます。また、今や天才醸造家として呼び声の高いステファン・ドゥルノンクールの才能をいち早く見出し、1996年に醸造責任者に起用した事でも有名です。ラ・モンドットといえばナイペルグ伯爵が1996年より品質改良に着手し、短期間で一躍サンテミリオンを代表するワインへと変貌したシンデレラワインです。1996年から僅か4年後の2000ヴィンテージは、ボルドーワインを扱うネゴシアンから送信されたプリムールリストの最高値がつき、また近年では、ワイン・アドヴォケイト#199にて2009ヴィンテージがロバート・パーカーから100点満点を付けられております。そのナイペルグ伯爵がボルドーにおけるワイン造りと同様の哲学をもって、ブルガリアで手掛けたワインがエニーラです。ベッサ・ヴァレーでは最も高密度でピュアな葡萄の味わいが得られるフリーランジュースを約95%も使用し、カジュアル・ラインであるプティ・エニーラを含む全てのキュヴェが造られております。フリーランジュースとは破砕後プレスを行わず葡萄の自重のみで自然に流れ出す搾汁の事で、僅かしか得られない為、非常に貴重な果汁です。フリーランジュースはエグ味等のネガティブな味わいが少ない、ピュアで旨味の強い果汁を得られます。
原産地呼称:P.G.I. THARACIAN LOWLANDS
品種:メルロー56% シラー24% プティ・ヴェルド14% カベルネ・ソーヴィニヨン6%
醸造:コンクリート・タンクにて低温浸漬と約10日間の醗酵、MLF。旧フレンチ・バリック(2年樽30%、3年樽70%)にて12ヶ月間熟成。
低価格のレンジとは言えラベルにはナイペルグ伯爵の品質保証とも言えるナイペルグ伯爵紋章が入っており、中途半端なワインではありません。完熟した果実の心地よいアロマと口当たり。チャーミングなラズベリーやミント、心地よいオークの風味が広がりなめらかなタンニンの舌触り。