• トップ
  • Chocolate Station
  • 新しい魅力に何度も出会う芸術品。ショコラティエが語るチョコの魅力とは

イチオシのチョコなどをじっくりチェック! 私がチョコレートが好きなわけ

Story2.

新しい魅力に何度も出会う芸術品。
ショコラティエが語るチョコの魅力とは

大石さんとチョコレート

子どもから大人まで、たくさんの人をトリコにしてしまうチョコレート。70年の歴史を持つチョコレートブランド〈メリーチョコレート〉のショコラティエの中にもチョコに魅了された人が一人。ここでは、これまでに多くの受賞歴を持つショコラティエの大石さんにインタビュー。チョコレート、そしてチョコレートづくりの魅力について聞きました。

チョコレートに夢中!

―今回は、〈メリーチョコレート〉でショコラティエをされている大石さんに、チョコレートの魅力と楽しみ方についてたっぷりお話を聞きたいと思います。よろしくお願いします。 大石さん:よろしくお願いします。 ―まずは、大石さんご自身のことから。ショコラティエになったきっかけを教えてください。

大石さんインタビュー風景01

メリーチョコレート ショコラティエ 大石さん

大石さん:ショコラティエになったのは〈メリーチョコレート〉に入社した1995年。当時は「生産部」でチョコレートをつくっていました。〈メリーチョコレート〉に入るまではチョコレートづくりとは無縁の生活をしていたので、入社してからは先輩に厳しく育てられたものです。そんな私がなぜチョコレートづくりを志したかですが、子どもの頃からの夢ということではなく気がついたらなっていた、という感じ。就職活動をして、入社したのが〈メリーチョコレート〉で、生産部に配属になり今に至ります。サラリーマン的なショコラティエなんですよ。 ―ショコラティエといえば、いろんな国で修行をして一流を目指す!という人が多いイメージだったので意外です。 大石さん:そうですね、珍しいタイプだと思います。他のショコラティエからも「一体どこで修行をしたんだ?」と聞かれるのですが、私はずっと〈メリーチョコレート〉で一から学んでいるので。 ―では、なぜ〈メリーチョコレート〉で働きたいと? 大石さん:子どもの頃から知っている馴染み深いブランドだったからです。よく〈メリーチョコレート〉のボンボンショコラを贈りものでいただいて、それを1日1粒食べるのが楽しみでした。そんな思い出のあるブランドだったので、働いてみたいなと。 ―実際に〈メリーチョコレート〉の世界に入って、
チョコレートに対する見方は変わりました?
大石さん:ええ。チョコレートなら何でもおいしいと思っていたのですが、〈メリーチョコレート〉に入ってからは、その奥深さに感動する毎日でした。2000年にフランスで開催された「チョコレートの祭典」へ初めて行ったとき、世界各国の名だたるショコラティエのチョコレートを食べて「ここまでおいしくなるのか」と衝撃を受けて。単なるおやつではなく、新しい発見に何度も出会う芸術品だと、認識がガラリと変わりましたね。

大石さんインタビュー風景02

―その衝撃的な出会いは、大石さんご自身の制作に影響しましたか? 大石さん:日本に戻ってから、日中の通常業務を終え、夜中までチョコレートづくりに打ち込みました。さまざまな材料をかき集め、時間を忘れて作っていました。すごく楽しかった。 ―夢中になってチョコレートづくりに励まれたんですね。
ご自身が「チョコレートを好きだな」と感じる瞬間は
どんな時でしょう。
大石さん:そうだな…。職業柄ならではのエピソードかもしれませんが、例えば旅行へ行くとよくチョコレートのことを思い出します。というのも、その土地の酒や特産物などを食べると「お、これはチョコレートと合うんじゃないか!?」とついつい考えてしまうんです。あとは、美しい景色を見るとこの景色をどう表現できるだろうとワクワクしたり。 ―何をするにもチョコレートに繋がってしまうんですね。
他のブランドのチョコレートを食べたりもしますか?
大石さん:もちろん大好きです。勉強のためにもよく食べます。いつも、デパートで買って家に着くまで待てずに平らげてしまうんです(笑)。こういうところは、特に自分のチョコ好きを再確認する一コマですね。 ―我慢できない気持ち分かります(笑)

〈メリーチョコレート〉がおいしいわけ

―ここからは、〈メリーチョコレート〉のおいしさのヒミツに
ついて。チョコレートづくりのこだわりを教えてください。
大石さん:「お子さまから大人まで楽しめるチョコレート」をテーマにつくっています。ガーナ、ベネズエラ、エクアドルなどのカカオを日本人のお口に合わせて配合したオリジナルチョコレートで展開しているんです。

〈Tokyo Chocolate〉カカオフュージョン パッケージ ≪Tokyo Chocolate(トーキョーチョコレート)≫カカオフュージョン

≪Tokyo Chocolate(トーキョーチョコレート)≫
カカオフュージョン

〈税込〉各540円

〈メリーチョコレート〉のブランドの1つである「トーキョーチョコレート」の人気商品。お口に頬張るとパチパチと弾ける「はじけるキャンディ」はお子さまにも大人気!お配りチョコにもぴったりです!

写真上 左:はじけるキャンディ

お買い上げはこちらから!

写真上 中:はじけるキャンディといちご

お買い上げはこちらから!

写真上 右:塩とアーモンド

お買い上げはこちらから!

―さまざまな国から厳選されているんですね。 大石さん:ベネズエラやエクアドルで栽培されるカカオは、「フレーバービーンズ」という稀少性の高いカカオなんです。 ―どういった特徴が? 大石さん:花、フルーツ、ナッツ、などのような特別な香りのするカカオのことで、大規模栽培に向かず、生産量が限られています。それらを使うことで香り豊かな奥深いチョコレートをつくることができます。 ―なるほど。それらのおいしさを引き出すために
工夫されていることはありますか?
大石さん:チョコレートを滑らかにする作業をコンチングというのですが、〈メリーチョコレート〉では、昔ながらの伝統的な手法で24時間かけて生地をなめらかにしています。時間はかかりますが、より滑らかにそして嫌な酸味や雑味を飛ばすために大事な作業です。 ―24時間も!時間をかけて丁寧につくられているんですね。
〈メリーチョコレート〉は目でも楽しめるチョコレートが
揃っていますよね。どんな物からインスピレーションを
受けているのですか?

≪Tokyo Chocolate(トーキョーチョコレート)≫トーキョーチョコレートボックス

≪Tokyo Chocolate(トーキョーチョコレート)≫
トーキョーチョコレートボックス(12個入)

〈税込〉2,160円

美しいカタチ、カラーのチョコレートの詰め合わせ。家族や友人たちと、みんなで楽しみたい一箱です。

お買い上げはこちらから!

大石さん:私の場合は、美術館や博物館が大好きで、そこに展示されている作品からチョコレートに応用できないかとアイデアを探すことが多いです。例えば、点描や版画の技法など。上手くいかないことの方が多いですが、いろいろ試していますね。また、景色や自然からインスピレーションを受けることもあります。例えば、空の色や花の香り。これらをチョコレートにどう表現できるだろうと。 ―もはや芸術家の域!
大石さんがつくりだすチョコレートには、
身の回りのいろいろな物が影響されているんですね。

〈メリーチョコレート〉渾身の一箱

―ではここで、今回出品するものの中から
大石さんイチオシのチョコレートをご紹介いただきます。
大石さん:はい。〈メリーチョコレート〉の中にはいくつかブランドがあり、それぞれにテーマを持ってチョコレートづくりを行っています。その中でも今回特に注目してほしいのは「伝統と新しさ」が融合する東京の魅力をチョコレートで発信する〈Tokyo Chocolate〉の新商品、「トーキョーチョコレートプレミアムセレクションボックス」です。社内コンペで厳選された4粒のチョコレートがセットされています。

≪Tokyo Chocolate(トーキョーチョコレート)≫トーキョーチョコレートプレミアムセレクションボックス

≪Tokyo Chocolate(トーキョーチョコレート)≫
トーキョーチョコレートプレミアムセレクションボックス(4個入)

〈税込〉1,728円

3名のショコラティエによる渾身の一箱。

お買い上げはこちらから!

―一体どんな特徴が? 大石さん:古来より日本には「日々の生活(ケ)」と「特別な舞台(ハレ)」を区別する、「ハレとケ」という伝統的な世界観があります。今回はこの「ハレとケ」をクリエーションテーマに制作しました。 ―そのテーマに込められた想いは何でしょうか? 大石さん:日常の中にも、特別な瞬間があるはず。毎日新しいハレを見出したいという想いを込めてつくった一箱です。このテーマは、新型コロナウイルスが流行してからチームで考えたものなのですが、今となっては当たり前と思っていた日常は、すべてハレの日だったように思うし、当たり前の日常があったからこそハレの日がありがたく思えていたんだなと。不安で辛い日が続いているかもしれないけれど、そんな中に喜びや希望を見つけられるようなチョコレートになればと思います。 ―すてきなテーマですね。
それでは、この一粒一粒にどのような世界を
閉じ込められたのでしょう。
大石さん:1つ目「No.1 飛騨山椒」は、銀箔を「安定」を表すカタチとして知られる長方形にカットしデザイン。ハレとケのどちらの食事も彩る山椒で「日常」を表現しています。 ―どのような味が楽しめるのでしょうか。 大石さん:コロンビア産のビターチョコレートに飛騨の青山椒と赤山椒を加えています。さらに、山椒の風味を引き立てるため、海塩と海藻を一緒に煮詰めてつくる藻塩も加えています。青山椒の爽やかな柑橘系の香りがふわりと鼻を抜け、赤山椒のピリッと痺れる辛さと藻塩のアクセント、それらの複雑な風味がビターチョコレートによって一つになっていく。とても不思議な味わいをお楽しみいただけます。

大石さんインタビュー風景03

―スパイシーな山椒とダークチョコレートのマリアージュ。
ぜひ確かめてみたいですね。
大石さん:続いては「No.2 杏とみりん」。トップに花火をデザインし、ハレの行事「祭り」を表現した一粒です。中は、果肉感を残した杏のパート・ド・フリュイを三河本みりんでコクを加えたコスタリカ産カカオマス使用のミルクガナッシュに重ねました。杏のジュレは、干し杏を使っていて、ペパーミントティーで柔らかく戻しているんです。 ―なぜ干し杏を使うのですが? 大石さん:杏は干すことで旨みが凝縮します。それをペパーミントティーで戻すことでペパーミントのおいしさが加わるんです。お口に入れると、杏の酸味とうま味が広がって、そのあとにガナッシュの甘み。酸味と甘みのバランスがよい一粒になっています。 ―ひと手間加えることで、奥深い味わいになるんですね。 大石さん:続いてご紹介するのは、「No.3 桜香る抹茶」。「桜の下での茶会」をイメージした一粒です。三層のチョコの一番下にはドミニカ共和国のホワイトチョコレートに宇治抹茶をたっぷり。そして10年ものの古酒を少々加えています。 ―古酒ですか。 大石さん:古酒を入れることで、お茶の苦味だけではなくうま味成分も出てくるんです。
2層目には、ベトナム産のフルーティなホワイトチョコレートに宇治抹茶を少し入れ、純米大吟醸を加えました。
一番上には桜の香りを感じてもらいたく、エクアドル産のフローラルなビターガナッシュに桜の香りを付けています
コーティングしたチョコレートを黒い茶器に見立て、一粒で春に満開の桜の下でいただくお抹茶を楽しむことができるんです。トップには桜の花びらを感じさせる桃色と、抹茶の緑色をデザインしています。
―春が待ち遠しくなるような一粒ですね。 大石さん:最後にご紹介するのは、「No.4 柚子のプラリネ」。生チョコレートで仕上げた柚子が香る二層仕立てのプラリネです。上層は、シチリア産ヘーゼルナッツのプラリネ。コスタリカ産カカオマスを使ったミルクチョコレートに高知産柚子を合わせました。下層は、スペイン産アーモンドのプラリネ。ガーナ産カカオマス使用のビターチョコレートに、石垣島の香辛料ピパーツをきかせて個性豊かに仕上げています。
二種のナッツはいずれも和三盆糖と本みりんでキャラメリゼして和風の味わいにし、そこに柚子を上品に香らせて、新しい「和のプラリネ」を作りました。
―トップには、丸型の金箔がデザインされていますね。 大石さん:「ハレ」の源である日輪、その恵みである柚子の色と形、そして素晴らしい日々が永遠に続いてほしいという想いを表現しています。 ―金色が特別感をアップしてくれますね。
この一箱をより楽しむための、
おすすめの食べ方はありますか?
大石さん:好きなものから順に食べてもらってOKなのですが、No.1から4の順で食べていただくのがおすすめです。4粒で起承転結を感じてもらえるようにセットしています。「起」で最初のおいしさを感じてもらい、「承」で全く違う味わいを届け、「転」で新しい感覚を与え、「結」でまろやかに全ての味をまとめる。
この4粒を順番に食べることで〈ハレとケ〉は完成するんです。
―ついつい気になるものから食べてしまいがちですが、
つくり手の意図を想像しながら食べると
また違う魅力に出会えそうですね。

未来のチョコがつくりたい

―今後どのようなチョコレートをつくりたいですか? 大石さん:これを言うとよく笑われるのですが、未来のチョコレートがつくりたいです。 ―未来のチョコレート? 大石さん:日本にきて100〜150年ほど経ちましたがチョコレートの歴史はまだまだ浅い。液体から、固形になり、ザラザラのチョコレートが滑らかになったり。そして今、アートのような美しいチョコレートがたくさんある。これが100年後にはどんな姿になっているんだろうと思うんです。その新しいチョコレートを僕が一番先につくりたい。ただそう思っているだけで、まだまだ模索途中なのですが。

大石さんインタビュー風景04

―大石さんがつくる100年後のチョコレート、楽しみにしています!それでは最後に大石さんにとって、チョコレートの魅力とは? 大石さん:産地、素材、温度、そしてつくり手によって変化する未知の嗜好品。味も香りも口どけも、つくってみないと分からない。この難しさが魅力でもあり、面白さだと思います。 ―お話を聞いて、チョコレートづくりの奥深さを知ることができました!いま〈メリーチョコレート〉が食べたくて仕方ないので、帰りにお店に立ち寄ろうと思います(笑)本日は、チョコレート愛いっぱいのお話を、どうもありがとうございました!

ページの上部へ