熟露枯(UROKO) 大吟醸ヴィンテージ平成30年セット
熟露枯(UROKO) 大吟醸ヴィンテージ平成30年セット 税込108,000円 終了しました
偶然の重なりが、洞窟酒蔵での「大吟醸酒」熟成につながった…

日本唯一49年間熟成の歴史を持つ、「大吟醸の熟成古酒」を手掛ける「蔵元 島崎酒造」を訪ねて、栃木県那須烏山まで赴いた。

「蔵元 島崎酒造」の島崎社長はこう話す。
きっかけには「たまたま」なんです。1970年(昭和45年)、父親が思い付きで品評会用の大吟醸酒をとっておいたのがはじまりなんですよ。

当時、大吟醸酒はその年の日本酒の出来を測る品評会用でしかなく、販売用ではなかった。
現在と嗜好が異なり、さらりとした酒が好まれていなかった。つまり大吟醸酒は美味しくないという消費者の認識だったのだ。だから、販売に大吟醸酒に普通酒を混ぜて販売するのが常識だった。
ところが島崎社長のお父様利雄さんは「こんなに研ぎ澄まされた大吟醸酒を混ぜてしまうのはもったいない。」と思い、取っておくことにした。

そして、8年後の昭和53年、たまたまとっておいた大吟醸酒を口切りした。一口飲んだ瞬間、利雄さんの顔には喜びの表情。「美味しい!!」。大吟醸酒は熟成され、丸みを帯びた円熟の味になっていた。
その後、それを「大吟醸酒古酒」として商品化、また、毎年、その年の一番出来の良い「大吟醸酒」を熟成させることにした。

洞窟熟成も偶然なんです。

平成11年になると、貯蔵のための地下倉庫が手狭になりましてね。新しい貯蔵場所を探していた時に、父親がふとこの「洞窟」のことを思い出したんです。

酒蔵として使用されているこの洞窟は、元々戦時中、戦車を製造する軍需工場として掘られた人口の洞窟だ。洞窟堀に駆り出されたのは、学徒動員で招集された地元の中学生。その中に利雄さんがいた。

中学時代に、自らが堀った洞窟があることを思い出した利雄さんはすぐに現地を確認。誰の手にも渡らず、その当時のままの形で残っていたのも偶然といえるだろう。そして偶然は更に重なる。

人工に掘られた洞窟っていうのが理想的な環境だったんですね。

軍需工場として掘られたから排気口がある、季節による温度変化、つまり洞窟に四季があるんですよ。

温度変化が少なく、光が入らないという洞窟の特徴は、熟成に適する環境だ。

外気がわずかに出入りするため、洞窟内は、夏15℃ 冬5℃ と変化する。酒は水とアルコール。長時間置くと分離が起こる。しかし温度変化により、対流が起こり平均的に熟成が進みまろやかで美味しい熟成酒となるのだ。

壁は手掘り当時のまま、空気はひんやり冷たい。
戦車1台が悠々と通れる縦穴2本と5本の横穴、そして縦に貫く通路。全長600mの巨大な酒蔵だ。
洞窟特有の湿気を帯びた空気。
時の流れを経て静かに熟成は進む
20年後の孫への贈り物だろうか。オーナーズボトル。
島崎社長とネットショッピングバイヤー
柔和な表情の内に大吟醸への頑なな想いを持つ杜氏
創業嘉永二年の歴史と経験
風になびく暖簾が時の流れを物語る
「熟成は文化」、目指すのは「きれいな甘さ」

島崎社長は「熟成を文化として考える」と表現した。

日本酒には、「ひやおろし」と言って、冬出来た新酒を、ひと夏おいて秋に売るという、「寝かせる」という文化があったんです。我々は、「きれいな甘さ」を目指してきました。こってりではなく、さっぱりでもない。スッキリしているのにコクがある。飲みやすいけど旨味は残る。

それに、熟成の経験と技術が加わり、文化として華を咲かせた。それが「大吟醸古酒」だと確信しています。

塩味の強い料理が好れた土地柄、料理に合う日本酒、甘い酒を得意としていた島崎酒造。島崎社長がこだわったのは、きれいな甘さだった。ほんの少しでも感じる嫌な味を取り除いて取り除いて突き詰めてきた甘さ。磨きに磨かれたダイヤモンドの輝きのような甘さの大吟醸酒だ。そして熟際させることにより旨味に深みが増していく。

5年目まではまだみずみずしいフレッシュな若い味。5年を過ぎるとだんだん角が取れ、円熟の味に変わり、10年を経て芳醇な味になっていくんです。
そこまでは丸くふくよかな味なんですが、15年を過ぎるとガラッと変わる。骨太というかがっちりした味になる。いぶし銀の味、これが熟成なんです。

島崎社長は、自信と誇りに満ちた表情で、10年熟成の大吟醸をグラスに注いだ。
芳醇な香りと共に、「大吟醸酒」がキラキラと煌いた。

平成元年から平成30年までの熟成の軌跡。

その年一番出来の良かった大吟醸を、熟成という時間の流れと共に味わう。
こんな贅沢な大吟醸酒が今までにあっただろうか。
「熟露枯(UROKO) 大吟醸ヴィンテージ 平成30年 30本セット」
平成の幕が閉じた今、東急百貨店ネットショッピングバイヤーが自信を持って紹介する。

受注期間・商品のお届けについて
・受注期間:6月24日(月)から8月31日(土)まで(7月31日(水)までは予約販売扱い)
・商品のお届け:8月から発送
熟露枯(UROKO) 大吟醸ヴィンテージ平成30年セット
熟露枯(UROKO) 大吟醸ヴィンテージ平成30年セット
税込108,000円
終了しました