株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営するZ世代特化のマーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」と「SHIBUYA BEAUTY JAM」がタッグを組み、“リアルな渋谷ビューティー”を発信する期間限定プロジェクト。
今回は、その「SHIBUYA109 lab.」に所属し、共にプロジェクトに取り組んでいる“MATE”の4人が登場。
大学生として日々勉強に、遊びに、アルバイトに、そして美容トレンドの情報収集にいそしむ皆さんに、“Z世代”のリアルコスメ事情についてお話を伺います!
※写真はマイコスメポーチと一緒に♡
メイクする理由と、なりたいもの
左から皆川さん、大谷さん、池淵さん、田中さん
―― メイクをし始めたのはいつ頃ですか? きっかけや、どうやって練習してきたのかも気になります。
池淵さん : 高校に入学したタイミングでした。周りが全員かわいく見えて、あれ、なんか私だけ全然違う。どうしたらいいんだろう。追いつきたいと思って。
なので、YouTubeやTikTokでインフルエンサーさんのメイク動画を見て練習したり、メイクが得意な友達にアドバイスしてもらったりしました。なんとか一人でメイクしてみた時、「やっとみんなみたいな顔になれた!」って感動したのを覚えてます。
―― 新しい環境で出会う人たちの影響は大きいですよね。
大谷さん : かなり大きいと思います。私も高校生になってすぐだったんですけど、そもそもオシャレに疎くて、何をどうすればいいのか全く分かりませんでした。
ただずっとアイドルが好きだったので「今のスマホの中にお手本があるのでは?」と思い、推しのメイクのマネから始めたんです。アイラインや涙袋ライン部分の画像を拡大して、プチプラコスメで練習して、といった感じですね。
―― “SNSネイティブ”といわれる世代です。コスメ情報を収集する時に気をつけていることはありますか?
大谷さん : “どんな人が発信しているのか”を意識的に見るようにしてます。普段美容に関する投稿をしていない人が「これがオススメ!」と突然絶賛してる投稿は、ちょっと慎重に読もうかなとか。逆に、PRっぽい定型文の投稿ばかりでも気になります。
池淵さん : 最新コスメやハウツーを知りたい時はショート動画を見る。リアルな感想を知りたい時は投稿文を読む。みたいに、知りたい情報に合わせて手がかりを変えてます。店頭で気になったコスメを見つけた時、その場で複数のSNS上のレビューを読み比べることもありますね。
―― 自分たちにとって“リアルなもの”と“そこまでじゃないもの”を見極める目が必要そうです。
皆川さん : もちろん美容インフルエンサーさんには憧れるし、発信される情報も参考になるんですけど、等身大の自分に当てはまるかと聞かれたら全部が全部そうじゃないなと。その美容ルーティンを本当に毎日続けられるのかとか、お財布の事情的にも。
じゃあ何がリアルなんだろうって迷った時、その人の顔立ちが自分の顔立ちに似てるかどうか、好みの系統が似てるかどうかがすごくヒントになるんです。私は“かわいいけどダーク”なメイクやファッションが好きなので、同じ界隈の人が「コレいいよ。この使い方がおすすめだよ」って言ってるのを見ると積極的に知りたくなる。トレンドを全部真似するんじゃなくて、トレンドに自分の好きなニュアンスを混ぜる、みたいな感覚です。
―― 自分の“好き”を、なんとなくでも知ってることが大切だと。
田中さん : そうですね。ただ、自分が求める以上の情報量をくれるのがSNSで。すごく便利なはずなのに、選べなくなっていく感覚もあるんですよ。かわいい新作コスメにどんどん目移りしちゃう、際限がない、みたいな。
だから気になるコスメ情報に出合った時は、「本当に今必要?」と立ち止まるようにしてます。手に届きやすい価格でも衝動買いはしない。その分のお金はヘアケアに回すんです。美容院で定期的にトリートメントしたり、お家用にサロンシャンプーを買ったり。私の中の“譲れない美容優先順位の一位”を髪に決めてる、というのも大きいですね。それでもコスメが気になる時は、お母さんや友達に客観的な意見をもらって、判断する目を増やします。
どうやって試す? どんなコスメ持ってる?
―― コスメはどのように試されてますか? カウンターでBAさんにタッチアップしてもらう。@cosmeやSHIBUYA109のようなセミセルフ型ショップで自分で試す。などなど。
全員 : セミセルフが圧倒的に多いです!
池淵さん : カウンターはちょっと、いや、かなり緊張しちゃうんですよね。
大谷さん : 分かる。お母さんと一緒に行ったことはあるけど、一人で行くのは勇気が必要かも。
皆川さん : BAさんとお話するのが緊張するというか…ドキドキするんですよね。
ただ、過去にマスクですごく肌荒れしたことがあって。それまで普通に使ってた価格帯のファンデが全く合わなくなったんですよ。その時はさすがにプロのアドバイスが欲しくてカウンターに行きました。親身に相談に乗ってもらえて、肌に合う理想的なファンデを教えてもらえて、本当に感動して。それ以来、朝のベースメイクはずっとデパコスです。
田中さん : 「これは絶対に解決したい。よくしたい」っていう具体的なことはプロの人から直接話を聞きたいよね。今以上に似合うメイクも教えてくれそうです。
―― ちなみに、「今日のメイクいいな」と思うのってどんな時ですか?
池淵さん : スマホで撮った写真を見る時ですね。電車の窓やお店の鏡にふいに顔が映って「今日いいな」と思っても、後から写真で見るとそうでもないことがあって。
大谷さん : 「一緒に写ってる友達はかわいいのに、私だけ…?」って思うこともある。逆に「今日の私、意外と調子よかったな」と思うこともある。だからあえて撮って確認します。もはやスマホのカメラは鏡代わりかも。
池淵さん : 調子がいい日のメイクは記録や資料としてずっと保存するよね。それを友達とシェアして「かわいい」って盛り上がるのも好き。一人だけいいんじゃなくて、みんなで「かわいい!」と言い合えるのもポイントです。モチベーションが高まるし、そういう時間そのものが楽しい。
―― ではここで、いつもスマホと一緒に持ち歩いているお気に入りコスメを教えてください。
左上から時計周りに大谷さん、池淵さん、皆川さん、田中さんの愛用コスメ
大谷さん : ポイントコスメと、メイク崩れを防ぐミストをお守り代わりに。
池淵さん : 私はお直し用のパウダーも。普段から愛用している韓国コスメです。ポーチの中でかさばりにくいサイズを選んでます。
皆川さん : 私もパウダーと、あとはツヤ感を足したい時のためにハイライトを。肌がいい感じに盛れます。
田中さん : 奮発して買ったデパコスのリップがとくにお気に入り。ボトルデザインがかわいいので、ポーチを開ける度に気分が上がります。
“Z世代”だけとは限らないこと、それでも
皆川さん : マスクで肌が荒れて、今まで使ってきたファンデさえ肌に合わなくなった時、全然やる気が出なくて。できるだけ人と顔を合わせたくなかったし、一人で電車に乗ってる時ですら下を向いてました。
でも自分に合うファンデが見つかった途端、サークルやバイト先の初めましての人たちにもスッと話しかけられたんですね。
デパコス、韓コス、プチプラコスメ…いろいろありますが、何であっても、コスメやメイクは自分を堂々と前に歩かせてくれるもの。気分を上げてくれるものだなって思いました。
―― そういうマインドの変化は、決して“Z世代”に限った話ではなさそうです。
田中さん : 逆に、“Z世代”や“SNSネイティブ”という言葉でくくれないものもあると思います。私たち4人ですら全員が同じ好みや考え方というわけじゃないし、普段使ってるSNSをどこまで信じるのか、その中の何に憧れるのか、リアルだって信じる美容情報にどれくらいのお金をかけたいのか、実際にはちょっとずつ違うんですよね。
大谷さん : 「みんながいいって言うコスメだから試してみたい」って気持ちはあるけど“みんな=SNS”じゃないもんね。だから“SNSに慣れてる=トレンドだけが好き”とは限らない。やっぱり私はアイドル界隈が好きだし、その中でも推しが一番尊いし、推しが使ってるようなコスメが欲しい。それが自分にとって居心地のいい“リアル”だなって感じます。
池淵さん : 4人それぞれ違うけど、今日こうやって話してみて、SNSの情報は慎重に読もうとか、その中で自分が好きなもの、自分にとって居心地がいいもの、リアルなものが何かを探ろうとする姿勢は共通して持ってるって分かったよね。すぐ手に入る情報だけを頼るんじゃなくて、自分なりに考えて、判断して、選びたいことを知ってる。そう自覚してるのが私たちだなって思います。
インタビューが終わって緩む緊張。皆さんおつかれさまでした!
Edit_Moe Nishitoba(TOKYU DEPARTMENT STORE CO.)
Art Direction_Makiko Higuchi
Photography_Kei Matsuura
Design_Anna Yanagi
Text_Megumi Nakajima
