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  • 伴良美のオススメ!

ボージョレ・ヌーボーの季節到来。今年の解禁日は11月18日(木)
ルー・デュモン ボージョレ・ヌーボー トレ・ヴィエイユ・ヴィーニュ キュヴェ セット ジュイエ 2021

ラベルが語るワイン物語

CDやDVDにジャケ買い、という言葉があるように、ワインもラベルが奇麗なものや、興味深いデザインのものには、つい手がのびてしまいます。実際にワインのラベルは、ワインの歴史やエピソードを伝えるものが多く、そこにはさまざまな情報や物語が隠れています。ラベルのささやきを聞きながらワインを飲めば、いっそう美味しく楽しく感じられることでしょう。


先行予約・当日配送も可能な 多彩なヌーボー
人々が大きな困難を乗り越えた2021年秋。葡萄も豊かに実を結び、新酒の季節が到来しました。家族や親しい友との交流が戻りつつある今秋。フレッシュなボージョレ・ヌーボーと共に食卓を囲んでみてはいかがでしょうか。

東急フードショーでは今年も20種類以上の、個性豊かで多彩なヌーボーをご紹介しております。特典付き先行予約販売、解禁日当日配送のサービスも行っています。

今回はその中でも東急百貨店限定、世界も認めるブルゴーニュ在住の日本人醸造家 仲田晃司さんの、自然派の新酒をご紹介しましょう。瑞々しくも緻密で深く、職人技といえるワンランク上のヌーボーをお楽しみくださいね。

苦難を乗り越えた2021年の新酒は 樹齢75年特別区画の“喜びの葡萄”

写真:毎年、ガメイの葡萄から、瑞々しい新酒を生むボージョレ村。
ワイン名は「ルー・デュモン ボージョレ・ヌーボー トレ・ヴィエイユ・ヴィーニュ キュヴェ セット ジュイエ」。ブルゴーニュ・ボージョレ村の、樹齢75年の特別な単一畑から造られたヌーボーです。

ラベルには、新酒と葡萄を掲げて踊りながら喜び合う人々の姿が。太陽と豊穣の恵みに感謝をささげ、歓喜に湧く様子が生き生きと描かれています。さらによく見ると、日本語で「天・地・人」の言葉が散りばめられています。

人間同士の対話の中から信頼は生まれ、そこから世界は広がってゆく

写真:「人との対話から信頼は生まれる」を信念に、温かい人柄で知られる仲田さん。コート・ド・ボーヌの4区画の自社畑では、減農薬で最高品質の葡萄を栽培。2018年にはNHK番組『プロフェッショナル仕事の流儀』にも出演し話題に。
ルー・デュモンは日本人醸造家の仲田晃司さんが、ブルゴーニュのニュイ・サン・ジョルジュに設立したワイナリー。仲田さんは両親に「将来は必ず手に職を持つように」といわれ、フランス料理のシェフを目指します。一方でフランスワインの魅力にも目覚め、1995年にはとうとう単身で渡仏。ブルゴーニュの多くのワイナリーで研鑽を積み、2003年に念願のワイナリーを設立しました。

当時は日本人が、独特なフランスワイン社会のなかで信頼を築きながら、ワイナリーを立ち上げるのは中々難しい時代でもありました。

仲田さんは「私は友人にも恵まれ運がよかっただけ」といいますが、その幸運は仲田さんの実直な人柄、常に忘れない学びの姿勢、そして丁寧な仕事ぶりが招いたものでした。

やがて、ブルゴーニュを代表するワイン醸造家として世界に名を馳せ、現在も多くのレストランやワイン愛好家が仲田さんのワインを切望しています。彼のワインの素晴らしさを伝えるのに次のようなエピソードがあります。

アンリ・ジャイエが絶賛。自分自身のアイデンティティを表現したワイン

写真 上:ブルゴーニュワインの最高傑作を生み続け“神の手をもつ男”の異名をもつアンリ・ジャイエ氏。仲田さんのワインを絶賛し励まし続けた。
写真 下:仲田さんのワイン全てには、アイデンティティとなる「天地人」の文字が。

仲田さんは2003年に、自身初のワインを造り上げ、ささやかながらお披露パーティを行いました。その時にいらしたのが、“ブルゴーニュの神様”と崇められる偉大な醸造家「アンリ・ジャイエ」。ジャイエ氏は仲田さんのワインを絶賛し、「これからも自分自身のアイデンティティを忘れず、それをワインに表現するように」との薫陶を授けます。

仲田さんはこの教えを守りながら、全てのワインラベルに「天・地・人」の文字を刻みました。これは「人は天と地によって生かされている」という、自然への礼賛と日本的思想を表現したものともいわれています。

高樹齢の葡萄由来のミネラル感 瑞々しくも奥深い味わい

写真:高い樹齢のガメイ葡萄の木。果皮が厚く盆栽のような太い幹をもつ。
さて、仲田さんは、ムルソー、サヴィニー・レ・ボーヌ、フィサンなどの特級クリュからもワインを造っていますが、その美味しさと稀少性から多くはリリースと同時に完売してしまうものばかり。そのため、仲田さんのこのボージョレ・ヌーボーも、毎年人気が高く東急百貨店のみの限定販売となります。

樹齢75年もの高樹齢の特別区画の葡萄のみを使用。母岩近くまで深く根を張った葡萄のヌーボーは、ミネラル豊かで瑞々しくピュア、そして、仲田さんの人間性を感じる深みと包容力に溢れているのです。

なお、今年のブルゴーニュ地方は、4月の霜と6月の雹の影響で、葡萄栽培には大変厳しい年となりました。しかし生産者たちは、天地の恵みを信じ自然への感謝を忘れず、人知で困難を乗り越え、いま、秀逸な新酒が生まれきています。

奇しくも人類にとっても厳しく困難な年となった2021年。今秋こそ、愛する家族や大切な友人とともに、心に記すべきヴィンテージの新酒を味わっていただきたいと思います。

【ネット予約販売】

東急百貨店では他にも、フィリップ・パカレ、マルセル・ラピエール、ロミュアルド・プティ、シャトー・カンボンなどの有機・減農薬栽培の秀逸な造り手。さらにルロワ、ルイ・ジャドなど大手ネゴシアンの素晴らしいヌーボーを多彩にご用意しています。また、以下のサイトではヌーボーの予約ネット販売も行っています。どうぞよろしくお願いいたします。

渋谷 東急フードショーのおすすめ

ルー・デュモン ボージョレ・ヌーボー トレ・ヴィエイユ・ヴィーニュ キュヴェ セット ジュイエ 2021
(750ml) 3,850円

生産者:ルー・デュモン
生産地:フランス・ブルゴーニュ・ボージョレ地区
葡萄品種:ガメイ100%
味わい:赤・ミディアムボディ、凝縮感があり芳醇

ブルゴーニュで活躍する醸造家、仲田晃司さんが東急百貨店のためだけに、樹齢75年以上の単一区の葡萄を厳選して造るヌーボー。減農薬農法のリュットレゾネで栽培。力強く豊かな葡萄の個性を生かすため、サントル森のセガン・モロー社製の樽でわずかに熟成を行い、ノンフィルターの無濾過で瓶詰めをした職人技ともいえるワインです。樹齢75年の古木由来の凝縮感と豊かな風味、一般的なヌーボーとは一線を画する、芳醇で深みとコクを湛えた気品ある味わいです。「日本人であること」「自然と人に対する真摯な想い」を封じ込めたワインをぜひこの秋お楽しみください。

著者近影

伴 良美(ばん・よしみ)

ライター&ワインエキスパート。映画、食、旅を中心に執筆。ワインと食の情報誌「ヴィノテーク」、北海道新聞、岐阜新聞などの取材記者としても活躍。世界の銘醸地や映画の舞台を訪ねた連載コラムに、フジサンケイビジネスアイ「世界銘酒紀行」「名画の舞台」のほか「男と女 名画とお酒」「シネマの名言」などがある。