1880年頃、ジャック・リニエがモレ・サン・ドニのいくつかの畑を獲得しドメーヌはスタートしました。 以降、息子ジュールが引き継ぎ、その後アンリとユベールと続き、1960年代にはドメーヌの所有畑は8ヘクタールに届くまで拡大しました。 1992年には、ユベールの次男ロマン・リニエがユベールと共に働くようになり順調な進化を続けてきましたが、 ドメーヌの将来を託されたロマン・リニエが2004年に他界。以降、老匠ユベール・リニエが引退を撤回して奮起し、 ビショで働いていたもうひとりの息子ローランもドメーヌに戻り、ドメーヌ・ユベール・リニエの新時代が始まりました。ロマン亡き後、ロマンの妻とドメーヌの畑を折半耕作し始めたためユベール・リニエ本人は収穫の3分の1しか受け取れず、 買いブドウによるネゴシアン・ビジネスも平行させることで需要に応えるしか手だてがない時代が続いていましたが、2014年、この折半耕作の契約が解消され、元々のドメーヌの畑が100%戻り、畑の管理もドメーヌで行えるようになりました。2014年からは満足のできる生産を再開しています。かつてはリッチで凝縮感が高く、新樽の香りも強かったユベール・リニエのワインでしたが、故ロマンがスタイルを微調整し、 バランスの良いものに仕上げてからというもの、昔のユベール・リニエを支持していたアメリカ市場だけでなく、 世界的に高い評価を受けるようになりました。ワインは力強く濃い色調で、ブラックチェリーなど黒い果実や、赤い果実のアロマが広がります。ミネラルもしっかりと感じられ、タンニンは凝縮して、力強い味わいです。ストラクチャーと酸のバランスが良く、余韻が長いのも特徴です