ワイナリー《リドルフィ》の旧所有者は、フィレンツェの貴族リドルフィ家。2011年にオーナーが変わり、2014年に着任した醸造責任者ジャンニ・マッカーリのもと、際立って繊細優美なブルネッロを生み出し、初作2014VTからワインジャーナリズムで絶賛を博す。ジャンニ・マッカーリは、ポッジョ・ディ・ソットとサリクッティという別格のブルネッロで延べ25年間ブルネッロ造りに携わった。その間、ポッジョ・ディ・ソットではジューリオ・ガンベッリの薫陶を受けながら醸造責任者の大任をも果たし、サリクッティでは化学出身の理知的なオーナーのもとで、優雅で洗練されたブルネッロ造りに貢献した。リドルフィの醸造責任者としては、就任直後から畑をビオロジック栽培に転換し、セラーも機能と衛生面向上のため全面的にリノベーションを実施。なお、モンタルチーノ以外に、少量ながら硬質純良なキアンティ・コッリ・フィオレンティーニも産する。除梗したブドウ粒を、フレンチオークのバリック(新樽)にて醸造。ブルゴーニュのピノ・ノワールの愛好家でもある、オーナーのペレッティ氏と醸造家ジャンニ両人の、遊び心から生まれたワイン。ブルゴーニュ風の醸造だとは言うが、マセレーション期間は90日間と長く、抽出期間は十分。ブドウはワイナリーで最後に収穫されるブドウが使われるため、ワインにはしばしばスパイスのヒントが現れ、十分な果実味は新樽由来の樽香に負けず、優美な一体感が楽しめる。