◎THE WINE by TOKYU DEPARTMENT STORE 取扱商品
ティエリー・モルテは故ドゥニ・モルテの弟にあたる。兄弟ふたり、父シャルル・モルテの元でワイン造りをしていたが、92年にシャルルが引退したため、4haの畑を譲り受けて独立した。今日その面積は7.3haまで拡大している。ドゥニ・モルテのようにグラン・クリュをもたないため、いささか控えめな印象は拭えないが、ブドウ栽培、ワイン造りはしっかりしており、2007年からビオロジック栽培に移行した。赤ワイン造りは100%除梗。4?5日間の低温マセレーション。コンクリートタンクで発酵を行い、1日2回のピジャージュ。樽熟成はアペラシオンに応じ、新樽率は最大でも50%。16ヶ月の熟成を行う。ジュヴレ・シャンベルタンのドメーヌは総じて新樽率が高く、熟成期間も長めだが、きわめて理性的な数値に抑えている。
ティエリー・モルテのワインはドゥニ・モルテのそれに似て、果実味のふっくらした味わい。どのアペラシオンでも水準の高いワインを造るが、知名度のより高いドゥニ・モルテの陰に隠れて割りを喰っている感が否めない。比較的値付けの高いジュヴレ・シャンベルタン在所のドメーヌの中では、コストパフォーマンスにとても優れた造り手といえるだろう。泥灰土が支配的な石灰粘土質の土壌で栽培されているアリゴテ。10ヶ月タンクで熟成させてから瓶詰めされるので、とても落ち着いた仕上がり。グレープフルーツやレモンなど柑橘系のアロマ。酸味にアグレッシヴさはなく、フレッシュ感を留める。食前の一杯やジャンボン・ペルシエ、シーフードのプラッターなどとよい相性。