コゴミを洋風に

カナダのバンクーバーからフェリーで90分ほどの島の丘の上に、移住しようと土地を買ったことがあります。結局、移住は叶わないまま、土地は手放してしまったのですが、そのご縁もあり、2009年、カナダ観光局からの依頼で、カナダの食についてwebで連載をさせていただいていました。

5月に取り上げたのがコゴミでした。英語でコゴミはfiddlehead fernあるいは短くfiddleheadと言います。バイオリンの頭の部分に形が似ているのがその理由。バイオリンはfiddleと呼ばれることもあるのです。

コゴミは、日本ならではの味覚と思っている人も多いかもしれませんが、カナダではコゴミを茹でてサラダやパスタの具に加えたり、スープやキッシュにしたり、ソテーしてメイン料理の付け合わせにしたりして楽しみます。山でコゴミを摘む人も多く、たくさん採れるとピクルスにして保存するのだとか。

熱帯のタイにもコゴミは生えていました。以前タイの友人家族とハイキングをしていた時のこと、チェンマイ近くの高原でコゴミがたくさん生えているのを見つけました。「これ、日本では食べるのよ」というと、彼らは驚いていました。「タイでは食べないと思うな」と。でももしタイ人が食べるとしたら、ナムプラー味の炒めものか、ヤム（和えもの）でしょうか。 同じ食材でも、その地域の食文化によって、食べ方は違ってきますよね。

さて、今回ご紹介するのは、洋風のコゴミ料理。とっても手軽にできるので、ぜひ試してみてくださいね。

#247　コゴミのガーリックパセリ炒め

材料（2人分）

コゴミ　16本
ニンニク　1かけ
オリーブオイル　大さじ1.5
アンチョビフィレ　1枚
パン粉　大さじ3
パセリのみじん切り　大さじ2
塩　少々

作り方

1. コゴミは、塩（分量外）を入れた湯で30秒ほど茹でて水にとり、ざるに上げる。
2. フライパンに、ニンニクの薄切りとオリーブオイルを入れて弱火で香りを立てる。
3. 細かく刻んだアンチョビ、パン粉、パセリを加え、パン粉がカリカリになるまで炒める。
4. ３に1のコゴミを加えてひと炒めし、塩で味を調える