アンボネの区画「ラ・グランド・リュエル」などの他、5つのグランクリュの村に畑を所有し、長年クリュッグにもブドウを販売していたメゾン。5代目となる当主ブノワ・マルゲは2009年からビオディナミを、2010年から馬による耕作を開始。自らの畑の観察と、畑、および自然との対話から導かれる自分の直感を最優先し,素晴らしい成果を残している。ある面で、人類文明化以前の自然人の感受性で推進される自然派シャンパーニュである。全てのキュヴェでドザージュ・ゼロ。ブリュット・ナチュールと書いてあるのは、自然酵母で醗酵を行い、温度コントロールなども行わないため、年によっては残糖が高くなるかもしれないため。亜硫酸添加量も裏ラベルに明記し、無添加~30mg/lにとどめる。全てのリューディで、土壌学者クロード・ブルギニョンの協力を得て仕事をしている。ビオディナミ農法で育てられたセレクションマサルの苗木を使用。シャーマンはマルゲのスタンダードキュヴェ。ヴァン・クレールでの熟成の段階で、より熟成が進んでいる樽を選び出しブレンドされる。単一クリュやリューディーがブレンドされることもしばしばある。畑はブージィとアンボネの自社畑のみ。樽発酵、樽(225L)で9ヵ月間熟成。ティラージュ~デゴルジュマンの期間は通常2年間。リザーヴワインは、バリックもしくはフードルで熟成されていて、通常15~30%ブレンドされる。一部2013年からのソレラシステムを採用している。NVシャンパーニュとしてリリースしているが、メインラベル上の数字は収穫年のブドウが、キュヴェ・シャーマンの約80%を占める原料となっていることを、消費者に伝えるために表記している。これは、原材料の不透明なシャンパーニュ業界へ向けた、その年の個性や、畑の周りの環境を大切にしたい、ブノワなりのメッセージ。ボリュームを出しすぎず上質な口当たりで、スタンダードながらすさまじい完成度。