リシュブール、ロマネ・サン・ヴィヴァン、ヴォーヌ・ロマネ1級マルコンソール、シュショ、そしてボーモン……。きらびやかなヴォーヌ・ロマネのクリマが揃う、ドメーヌ・アラン・ユドロ・ノエラ。シャンボール・ミュジニーに生まれたアラン・ユドロが、妻のオディールとともにヴージョにドメーヌを構えたのが1964年。そのオディールがヴォーヌ・ロマネの大ドメーヌ、シャルル・ノエラの孫娘で1978年に祖父の所有畑の4分の1を受け継ぎました。冒頭に連ねた珠玉のクリマは、この時、旧ドメーヌ・シャルル・ノエラからもたらされたものです。今日、ドメーヌのワイン造りに携わるのは、孫のシャルル・ヴァン・カネット。アランとオディールの娘の子供で、1988年にランスで生まれました。2006年に祖父からドメーヌを継ぐよう懇願され、ボーヌの醸造学校に入学し、2007年はジュヴレ・シャンベルタンのドメーヌ・ジャン・ルイ・トラペで修業、2008年にドメーヌ入りしています。ブドウ栽培はリュット・レゾネですが、トラペでの影響もあり、シャルル自身はビオディナミに関心を寄せています。2005年から働く醸造長、ヴァンサン・ミュニエのサポートがあるとはいえ、まだ5年そこそこのキャリアで自分なりのスタイルを構築しつつあるシャルル。適度な抽出、ほどよく抑えられたオークフレーバー、そして何より口の中にじわっと広がる旨味が飲み手の心を強く引きつけています。