敏感肌を想うスキンケアライフスタイルブランド〈OSAJI(オサジ)〉。安らぎや情緒を感じさせる世界観のなかにある、商品開発へのこだわりとは?
今回は人気アイテム「アップリフト ネイルカラー」について、PRアシスタントの穗積衿佳さんに都内ラボラトリーでインタビュー。開発エピソードや商品コンセプト、こだわりの処方や色味にまつわるお話もうかがいました。
ほんとうに信頼できる化粧品とは?
――〈OSAJI(オサジ)〉さんは2017年のローンチ当時から「敏感肌を想うブランド」として広く知られていますね。
「立ち上げのきっかけは、代表取締役の茂田正和(以下・茂田)のお母さまが抱えていた皮膚トラブルでした。長らく愛用していた植物由来の化粧品が一切使えなくなる出来事がありまして」
――なにが原因だったんでしょう?
「交通事故による精神的ストレスです。そのストレスが肌にあらわれて皮膚疾患を起こしてしまったんですね。すると、今まで好んで使っていた植物由来の化粧品が肌に合わなくなってしまった。茂田はその様子を見て『植物由来成分だから安全』と、漠然と信じていたことに気づいたんです」
――必ずしもそうではないと。
「たとえば森の植物に触れると、手や顔まわりがかぶれることがありますよね。それは植物が自らを守っている証拠。力があるんです。茂田は、その力とひとの皮膚、心身との関係性を把握したうえで、植物の力を正しく扱い、正しく処方する必要があると考えました。そこで皮膚科学研究者だった叔父さまに師事し、デリケートな肌でも使えるような化粧品づくりをはじめたんです」
茂田さんの自宅キッチンからスタートした商品開発。現在は都内のラボでも行われている
――まずはお母さまが信頼できる化粧品を、ということですね。
「そうですね。ちなみに〈OSAJI(オサジ)〉というネーミングは、江戸時代、匙(さじ)を使って薬を調合する医師が『お匙』と呼ばれていたことに由来します。皮膚の健康と美しさにおいては現代の『お匙』のような存在でありたい。そんな願いが込められています」
「自分でも扱える」。むずかしくないネイルカラー
――さまざまなメイクアップアイテムも開発されています。
「〈OSAJI(オサジ)〉としてメイクアップに貢献できることはなにか。そう考えたとき、メイクアップディレクターが『いまいち肌に自信が持てず、化粧品を扱うことにあまり慣れていない。もしくは得意ではない』というキーワードを挙げたんです」
――化粧品を扱うことにあまり慣れていない。というと?
「年齢を重ねるにつれ、とくに女性は当たり前のようにお化粧をするようになりますよね。ただ、その方法やテクニックを十分に学ぶ機会があったのかというと必ずしもそうではなくて。敏感肌の方、肌荒れを起こしやすい方なら、皮膚に触れるものひとつ選ぶにも慎重ですし。『これでいいのかな?ちゃんとメイクできてるかな?』と、周りにいちいち確認するほどではない、些細な、でも、確かな不安を抱いている方は多いと思ったんです」
――そもそも正解がないことですしね。
「『今日のメイクはなにか違う、おかしい』と感じた途端、いつもの自分からすごくかけ離れた気持ちになってしまって、心に負荷がかかるもの。ならば『自分でも扱える』と実感できて、自信をもたらしてくれる化粧品をつくることが大切なのでは?と考えました」
――今回ご紹介する〈アップリフト ネイルカラー〉もそういった商品だと。
「日常をほんの少し特別なものにするネイルカラー」として2019年に発売。全30色(2025年4月時点)
「とくにこだわったのは、塗りやすさ、ムラになりにくさ、そして、さりげなさ。一度さっと塗るだけでもキレイに発色して、ほどよい光沢感と抜け感を出せるネイルカラーです。乾きやすいのでヨレにくく、普段あまりネイルをしていない方でも『これならカンタンに扱える』と実感していただけるかと」
――爪への配慮はいかがでしょう。
「爪の表面をサポートするディルシード由来の保湿成分・ケラチノモイスト※を配合しています。爪に本来存在しているうるおいを更に与えて乾燥を防ぎ、美しくすこやかなコンディションを維持するイメージです」 ※イノンド種子エキス
――乾燥は割れ欠けの原因になりますからね。対策できるのは嬉しい。
「それと、空気を通す処方もポイントです。酸素透過性コンタクトレンズ技術の応用で、塗布後の爪への圧迫感を減らします。まるで指先が呼吸しているような、軽やかでストレスフリーな使い心地ですよ」
――ほんの指先のお話ですが、こだわりが満載。
「お顔や髪型と違って、指先は自分の視界に入りやすいパーツ。すこし整えてあげるだけでも、ふと目にした瞬間すごく気分が上がると思うんです。『自分でも扱えた』という達成感も得られますしね。ほんの指先でも、もたらしてくれる幸せは大きいかなと」
ひとつの色がある。ひとの数だけ解釈がある
――過去に 『COLOR! COLOR! COLOR!』 で〈路地裏〉を使わせていただきました。色味もネーミングも独特ですよね。
24 Rojiura 〈路地裏〉 2,090円(税込)
クリーミーニュアンスのカーキで、ポジティブとシックの空気をあわせもつ
「〈路地裏〉が発売された2021年ミッドサマーコレクションのテーマは『デフォルメ』。時間とともにすこしずつデフォルメされていく記憶の風景をモチーフにした色味です」
――どんな路地裏の記憶、風景なんでしょう?
「この色を手に取っていただく方の解釈に委ねたいので、わたしたちが具体的なイメージを提示することはないんです。回答になっておらず申し訳ないのですが……」
――では聞き方を変えて。穂積さんがこの色から思い浮かべる路地裏。その記憶や風景はどんなものですか?
「お散歩の途中で見かける、陽が差し込んだ路地裏の草花です。ささやかだけど、あたたかみと生命力が感じられる色味。だからこの色を塗るときは、やさしい気持ちを指先にまとう感覚です」
――素敵です。
「でも、ひとによっては夕方の路地裏をあらわす色かもしれないし、誰かと会うための、いつもの路地裏の地面の色かもしれない。昔の旅先の路地裏で見た看板の色かもしれないですよね。ひとの数だけ、色から導かれる記憶や情景がある。そこに紐づく感情だってあると思います」
――解釈の余地や感じ方がどんどん広がりそうです。
「ちなみに、4月9日(水)に全国発売される2025年サマーコレクションのテーマは『再出発』。ふと遭遇したチャンスに飛び乗ったり、挑戦したかった世界の扉を開けたり、『偶然のような必然の世界』を表現しています」
――〈アップリフト ネイルカラー〉も新色が出るのでしょうか?
「新たに3色・数量限定2色のラインアップで、わたしのお気に入りは〈星めぐり〉です」
46 Hoshimeguri 〈星めぐり〉 2,090円(税込)
ピンクのラメがぎっしりのギャラクシーグレー。目前に広がる星空の神秘を表現
――グレーにピンクの偏光パール!銀河を感じますね。
「銀河のような異世界への入り口を感じていただける色味かなと。偏光パールの煌めきが角度によってさりげなく変わるので、解釈や感じ方もまた変わっていくと思います。星をめぐるような気分で、ちょっとした好奇心を持って塗っていただければ」――……もしや、色によってボトルのラベルデザインも違います?
「そうなんです。それぞれの世界観をシンプルにデザインしています。気づかない方も多いかもしれませんが、こういったディテールまで大切にしたいなと」
――ますます丁寧に扱いたくなります。
「ほかのコレクションアイテムとあわせ、この機会にぜひチェックしていただけると嬉しいです」
いつもそこにある安心感を
――改めて感じられる〈OSAJI(オサジ)〉のよさ、らしさとはなんでしょう?
「『いつもすぐそばにいる頼もしい存在であること』でしょうか。お肌が敏感な方、お肌をいたわりたい方、お化粧が得意ではない方にも寄り添うブランドです。スキンケアもメイクも、安心感を抱いていただけるかなと」
――安心感の根拠とは?
「やはり、すべての商品が皮膚科学に基づいて設計されていることです。肌への想いなくして〈OSAJI(オサジ)〉は成立しません。ラメひとつにしても、皮膚へのリスクやその可能性が認められた場合は使わない。それで表現の幅が狭まるとしても、です」
――譲れない部分なんですね。
「もともと茂田がお母さまのために立ち上げたブランドですからね。大切なひとを想うリアルがあります」
――最後に、読者の皆さまにメッセージをお願いします。
「化粧品やメイクは容姿を美しくするだけではなく、『自分をケアする』という体験をもって心を豊かにすることだと思います。すると自分にも周りのひとにもやさしい気持ちになれて、日々の幸せが感じやすくなると思うんです。わたしたちはそこまでお手伝いしたいですね。渋谷にお立ち寄りの際は、渋谷スクランブルスクエア 6F +Q(プラスク)ビューティーの〈OSAJI(オサジ)〉へぜひお越しください。皆さまの『これが悩み』『こうなりたい』に、心から寄り添わせていただきます」
interviewee
〈OSAJI(オサジ)〉PRアシスタント 穗積衿佳さん
美容室勤務や国内ブランド美容部員の経験を積み、2023年〈OSAJI(オサジ)〉に入社。お気に入りアイテムは「エンリッチバイオセラム」。
「日本は海外と比べると、外出時にお化粧をするという文化が根強い。たとえ見られていなくても、身だしなみを整えるという行為は内面的な美しさをあらわすとも思います。たとえほんのひと匙ぶんでも、皆さまのそんな美しさを導くお手伝いができたら嬉しいです」
取り扱い店舗
渋谷スクランブルスクエア 6F +Q(プラスク)ビューティー〈OSAJI(オサジ)〉
Photography_Naoto Ikuma
Art Direction_Makiko Higuchi
Design_Anna Yanagi
Text_Megumi Nakajima
Produce_Shun Okabe(QUI)