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結婚準備・スタート応援ガイド

ウエディングプランナー岡村奈奈さんによる結婚準備のアドバイスとコラム記事のアーカイブです。

花嫁の母から娘に贈りたいもの

  • 準備初期
  • 挙式披露宴

結婚式は、当人だけでなくご家族にとっても一大事。
とくに、娘をもつお父さんお母さんにとっては「花嫁の父」「花嫁の母」という大役が待っています。

とは言っても、「お嫁に行くこと」が遠いヨソのものになってしまうという感覚はいわば昔話。 とても明るくハッピーなことで、寂しさの中にも、これからの新しい関係にワクワク感という期待も共存していたり、実際、結婚してからのほうが実家との行き来が増えるというカップルも少なくありません。

結婚式前だって、母娘でわいわいと一緒に準備を楽しんだり、ご両親が自分たちの結婚式でできなかったことを娘に託して叶えようというようなこともあります。ドレスや装飾はこの10年くらいで格段にバリエーション豊かで自由になりましたから。
またその一方で、逆に「招待客」の一人として楽しまれるご両親が増えているようにも感じます。
いろいろな親子のかたちがあって、皆と同じでなくてもいい。これこそが今どきの結婚・今どきのウエディングスタイルと言えるでしょう。

かつて二度と戻ることのない娘へ結婚後の幸せを願い持たせた、箪笥や鏡台といった「嫁入り道具」も、現代社会ではなんとなくピンと来ないものですが、新しい家庭を築く始まりに「財産」となるような、心のこもった「一生モノ」をもたせたいという親心は現代だって変わりません。

例えば「留袖」や「真珠のネックレス」は実用的でとても素敵だと思います。
ほかに慣習として知られているものでは、家具や喪服、台所用品などがありますが、新居のためにカップルで選び、少しずつでも増やしていくのが楽しみであると思いますし、喪服もキモノでなければ既に持っているという場合も多いと思います。

「真珠のネックレス」は新品でなくてもいいですが、一連のネックレスとイヤリングは、冠婚葬祭あらゆる場面で重宝するので、1セットは持っておきたい女性のたしなみのようなものです。結婚するまでは実家で姉妹と一緒にお母さんに借りたりしていたという人も、結婚を機に「自分のもの」を持つことになります。「使うから買う」というものではありませんし、買うとなれば高価です。

3人姉妹で子どもの頃から「1番最初にお嫁にいく子にお母さんのをあげる」と言われて育った女の子。お姉さんがそれをもらったわけですが、2番目、3番目に嫁いだ姉妹も新しいものを全てお母さんが見立てて用意してくれたという話を聞いたとき、とても素敵だなぁー!と思いました。また、そのパールを見るたびに「私もそんなお母さんになりたい」と思うのだそうです。

お母様には、ご自身のお母様から贈られた品物や言葉について、率直にお嬢様にお話しされるのをおすすめしたいと思います。「”ママとおばあちゃん”にそんなストーリーがあったのか」「私もいつか」とめぐらせる特別な思いがあるはずですから。
「こうあるべき」よりずっとずっと響く、大切な言葉になるはずです。

(2017/09)

岡村奈奈 プロフィール

音大卒業後、専門式場などの婚礼施設勤務を経て2005年にフリーに転向。執筆・監修、メディア出演多数。オーソドックスなスタイルから、アウトドアや音楽ホール等でのユニークなウエディング、伝統的な和婚までオールマイティに対応。カウンセリング型のプロデュースに定評がある。
「ハッピーウエディングBOOK」(高橋書店)
「ウエディングプランナーが教える、結婚式と準備が”もっと”楽しくなる方法」(誠文堂新光社)
「結婚する子どものために 親がすること、できること」(日本文芸社)著者。
https://nanea.jp