似合う色と似合わない色の境界線(パーソナルカラー入門)
結婚式の準備で「色」への興味や理解を深める方はとても多いです。
衣裳選びや会場の装飾の組み合わせだけでなく「色」が持つ「印象」にまつわる影響の大きさに気がつく機会が多いからだと思います。
まず「似合う色」には一定の法則があるという「パーソナルカラー診断」は花嫁に限らず、老若男女問わず広くおすすめしたいと思っています。
一般的に「春夏秋冬」の4シーズンに分類され、それぞれが持つ色のグループがもっとも「似合う色」の群を提示されます。分け方は一概には言えないようですが、肌の色や瞳の色、髪や唇の色などから、専門の知識や資格を持つプロがシーズンやその中でもとくに似合う色や、見せたい印象に合う色などを教えてくれるというもので、
ファッションの志向や肌や髪の加齢によって多少は変わるものの、基本的に大きなくくりで言えば、年齢や一時的な毛染めなどに影響されず、一生ものと言えるのだとか。
私は「色の好み」や「似合う似合わないという判断」は、個々の感覚によるものだと思っていたので「パーソナルカラー診断」という文化との出会いには大きな衝撃を受けました。

もちろん、似合わない色を着てはいけないということではないのですが、「見せたい自分」になれる近道と言えるものには違いありません。
例えば、よく言われる「顔がハデ」とか「雰囲気が地味」みたいなこと(=「印象」)もコントロールすることができますし、
普段のファッションの引き出しにはない色のドレスを着ることなどとても想像がつかないというような花嫁にも、自信を持ってカラードレスにチャレンジしてもらえます。
実は色にまつわる(感覚的な)謎が解けて一番しっくりくるのは「白」で、「似合う白」がわかるだけでウエディングドレスや男性のシャツを選ぶ楽しみと価値がぐっと広がります。
例えば、「純白のウエディングドレス」と言っても、オーロラカラーのような光沢感のある白からアンティークなアイボリー、柔らかな質感のオフホワイトなど、"白"にも何百種類という選択肢がありますから、
試着してみると、顔がパッと明るく見えたり、妙にフィットして見えたりそうでなかったり・・・というのも珍しくありません。予め見当がついていれば、そういったことに振り回されることなく、デザインや好みの質感に近道で向かうことができますし、
男性もシャツの襟の形やタイとの組み合わせなど、もっともお顔に近い部分の「白」との付き合いさえマスターすれば、小顔に見せたり、若々しいフレッシュな雰囲気にもできるはずです。

コンテストや大きな舞台で注目されるセレブリティや各国の政治家などもパーソナルカラーを利用して、自信があるようなはつらつとした印象を際立たせる色のファッションを纏ったり、謝罪や控えるべき場ではあえて逆の色みで印象を抑えたり、
色を使って演出することはもはや常識の範疇と聞きます。それらは万能ではなく一人ひとり違うからこそ、自然と印象が見る人に伝わり、無意識のうちに、感情が動かされるのだと思います。
そして、それは必ずしも「着てはいけない」ということではなく、
もし似合わないと診断された種類の白のドレスを着たかったとしたら、合わせるアクセサリーの色みや大きさ、口紅の色でもコントロールすることができますし、
どういうわけか「黒いタキシードを着ると新郎ではなくお店の人みたいになってしまう」という違和感も、襟のデザインやタイの大きさなどで解消できるはずですから、なんとなくの感覚で、諦めたり妥協したりすることが無くなります。
それどころか、色を味方につけるだけで、好感度やサプライズ感、立体感、トレンド感など自在に操ることができるかもしれないのです。
「パーソナルカラー診断」はドレープを使って、大きな鏡と適切な光(明るさ)のもとでプロが行なうものです。
東急百貨店(渋谷・本店)でも資格を保有するコンシェルジュが診断するサービスがありますし、結婚式場や衣裳店でも機会が提供されているので、ぜひ利用してみてください。