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結婚準備・スタート応援ガイド

ウエディングプランナー岡村奈奈さんによる結婚準備のアドバイスとコラム記事のアーカイブです。

熨⽃のキホン(1)

  • 準備後期
  • 新生活
  • 記念日
  • 本人

年末年始は1年の中でもっとも贈り物や手土産などを用意する機会が多い時期。「熨斗(のし)」がもっとも活躍する時期ではないでしょうか。
結婚などのお祝いやお返しで初めて(改めて)知る人も多いようですが、デパートでは予約なしでも簡単に熨斗紙が掛けられますので、実はとても身近なもの。とくに贈り物が多いこの時期には、名前が入る熨斗紙は贈られたほうにも都合がいいはずですし、気軽に用意した品物でも「ちゃんと選んだ」という印象が届くものです。
カラフルな包装紙もリボンもない時代から途切れることなくずっと繋がっている贈り物の伝統を、上手に活用できたらいいですよね。

まずは、おさらいから。

「のしは掛けますか?」「のしを付けますか?」などと店頭やネットショップで聞かれるのは「熨斗紙(のしがみ)」のこと。熨斗鮑(アワビを薄く剥いで乾かして伸ばしたもの。高級品。寿命を伸ばし、商売を伸ばすという「縁起物」)と、
紅白の水引が印刷されているものを「熨斗紙」と言います。
水引には「花結び」と「結びきり」の2種類があり、1度きりのお祝いの結婚は結びきり、それ以外の祝い事や年末年始のご挨拶などは花結びを選びます。
水引の上には「表書き」という(寿、祝、御歳暮など)贈る目的を書きます。
「表書きはどうしますか?」と聞かれたら、「お年賀で」「内祝いで」と答えればいいということです。
そして、水引の下には贈り主の名前を書きます。贈り先の名前ではなく、自分や自分の会社などの名前を入れることになります。

お歳暮は、本来「12月13日~12月20日」に贈るものと言われていますが、配送が多いことなどもあり、11月には準備を始め、早ければ11月末、一般的に12月初旬に贈るということが一般化しているようです。初めて贈る場合には、地域差やコミュニティの慣習などを親戚や職場の先輩など境遇の近い人に相談してタイミングにも気をつけましょう。
熨斗紙は花結びで、表書きは「御歳暮」で。贈り主は「家」からなら苗字、仕事関係へ個人で送る場合などはフルネームなど目的に合わせて。迷うシチュエーションの場合には、品物と同様に店頭で相談すると安心です。
配送の場合には、熨斗紙の上から包装紙で包む「内熨斗」が(汚れやめくれの心配がないので)おすすめです。

お年賀は、三が日(1月1日〜3日)または松の内(〜1月6日)とされています。お歳暮は配送が多いイメージであるのに対して、お年賀は訪問時に持参するイメージが強いように思います。風呂敷に包むのが正式ですが、実際には買ったお店の紙袋のままということが多いでしょう。お渡しする時には紙袋から出して、熨斗を相手の向きにして両手で贈ります。この場合「外熨斗」(包装紙の上から熨斗紙を掛ける)のほうが良いでしょう。一般的な訪問の手土産と違ってお供えをしてから開けるものなので、誰が贈ったものかわからなくなって贈り先に手間を取らせないためにも、熨斗紙が付いていると便利という面もあると思います。

(2017/12)

岡村奈奈 プロフィール

音大卒業後、専門式場などの婚礼施設勤務を経て2005年にフリーに転向。執筆・監修、メディア出演多数。オーソドックスなスタイルから、アウトドアや音楽ホール等でのユニークなウエディング、伝統的な和婚までオールマイティに対応。カウンセリング型のプロデュースに定評がある。
「ハッピーウエディングBOOK」(高橋書店)
「ウエディングプランナーが教える、結婚式と準備が”もっと”楽しくなる方法」(誠文堂新光社)
「結婚する子どものために 親がすること、できること」(日本文芸社)著者。
https://nanea.jp