東急百貨店

ブライダルクラブ

  1. 東急百貨店
  2. ブライダルクラブ
  3. 結婚準備・スタート応援ガイド
  4. 熨⽃のキホン(2)

結婚準備・スタート応援ガイド

ウエディングプランナー岡村奈奈さんによる結婚準備のアドバイスとコラム記事のアーカイブです。

熨⽃のキホン(2)

  • 準備後期
  • 新生活
  • 記念日
  • 本人

私たちの日常にある「贈り物」とは、イコール「リボンを掛ける」というイメージですよね。中身よりもラッピングのほうが重視される場面さえあります。
リボンと熨斗紙は(1つの贈り物においては)共存しないものですが、どちらか迷うというシチュエーションはほとんどないのではないかと思います。
クリスマスやバレンタインなど西洋の文化をルーツにしたような贈り物と、お中元やお歳暮のような日本の文化とで分けるとわかりやすいと思いますが、実は今、そのあいだへと緩やかに平行移動しているのが「引出物」です。

引出物の品物は「実用的」「シンプル」なものに人気が集中しています。それらの多くは素敵なデザインの化粧箱に入っていたり、ブランドの包装紙やリボンもギフトの一部として贈られた人に歓迎されたりしています。熨斗紙のない贈り物が正式な引出物として浸透し始めていると言えると思います。
ただ、若いカップルにとって結婚式(引出物)は、自分の名前の「熨斗紙」の掛かった贈り物をする初めての機会である場合が多く、それを飛ばしてしまった時に、なんとなく知らないまま縁遠いものになってしまわないように「内祝い」や季節のご挨拶ではぜひ触れてみてほしいと思います。

結婚式の引出物の熨斗紙の定番です。
一般的な例としては、引出物(記念品)には両家の苗字として、この場合には[新郎・東急家][新婦・渋谷家]で東急家が上位で右になります。昔ながらのスタンダードなので、特別な理由がなければ、このスタイルに則っておくといいと思います。

引菓子という、記念品に添えるお菓子に掛ける熨斗紙には、新郎新婦のファーストネームを書くことが多いです。苗字でもいいですが、家からというよりも、お菓子は「ふたりから」という印象が好まれて、このスタイルが定番化しています。
いまどきは、おしゃれな化粧箱に入ったお菓子も大変人気があるので、熨斗紙や包装紙で包まないことも多いですが、なくても失礼ということにはなりません。もし、伝統を重んじるお家や相手なら、違うもの(=包装紙や熨斗紙が掛けられるもの)を選んだほうがいいと思います。

引出物や引菓子ではとくに「内熨斗(うちのし)」と呼ばれる、包装紙よりも内側(=箱に直接)に熨斗紙を掛けるスタイルが定番です。スタンダードには地域差があるので注意が必要ですが、首都圏では内熨斗が主流だと思います。
配送時などに熨斗紙がめくれたり破れたりすることから守る意味合いもあり、おすすめです。

(2017/12)

岡村奈奈 プロフィール

音大卒業後、専門式場などの婚礼施設勤務を経て2005年にフリーに転向。執筆・監修、メディア出演多数。オーソドックスなスタイルから、アウトドアや音楽ホール等でのユニークなウエディング、伝統的な和婚までオールマイティに対応。カウンセリング型のプロデュースに定評がある。
「ハッピーウエディングBOOK」(高橋書店)
「ウエディングプランナーが教える、結婚式と準備が”もっと”楽しくなる方法」(誠文堂新光社)
「結婚する子どものために 親がすること、できること」(日本文芸社)著者。
https://nanea.jp