手紙を書こう(1)初心者編
最近めっきり字を書く機会が減りました。
考えごとをするのも、急いでメモを取るときも手書きよりパソコンのキーボードのほうが早く、後で解読できないというような情けない困りごとも避けられます。
そのうちに、漢字が思い出せなくなってきたり、自分の書く字の不格好さにひどい違和感を覚えたりして、どんどん手書きする機会を遠ざけるようになりました。
これはどうも全世代的な事情のようです。

メールやSNSを利用したメッセージが便利なのはスピードばかりではありません。
伝統的な定型の美しさ・・・「マナー」に関して治外法権のようなところがあるというのも"手紙離れ"の大きな要因だと思います。
例えば、手紙なら、季節の挨拶から始まり、お決まりの言葉で結ぶもの。
〇〇さんへ というのは最後に書くのだったかしら? 最初に書いたらいけないのだったかしら?
かしこ とか 敬具 とか使わないと幼く見えるかしら?
便箋は1枚ではいけないだろうか? などと気になることが湧き出てきます。
結局インターネットで調べることになり筆を止めてしまいます。
「若い人」という表現では乱暴ですが、手紙に慣れていない人ほど難しい、どこかで聞いた"それっぽい雰囲気"のことを使いがち、使いたがりがちで、違和感が違和感を生んで、気まずさやニガテ意識を膨らませているように思います。

実際、正しい様式の手紙を書くことは難しいので、ここではまず「初心者編」として、手紙へのニガテ意識を和らげる最初のアプローチについてご提案したいと思います。
[紙・便箋を選ぶ]
これは、初めにとても重要なことだと思います。
一筆箋、カード、便箋、絵ハガキなどその「紙」によって内容は助けられると思います。
例えば、どこかのお土産に添えるなら行った場所の写真や絵ハガキは都合がいいですし、季節のもの、thank youなどと書かれているもの、贈る相手の好きなものも良いでしょう。
とくに文で説明をしなくても、そのための手紙であることが伝われば大変便利です。
選ぶ紙のサイズ感で、行数や書く文のボリュームの長さ(=短さ)も気にならなくなるはずです。
まずは紙選び。選んだものを無駄なく使うためにも、似た紙での下書きは必須。
修正テープなどは使わず、読みやすい濃い色のペンを使って「読みやすさ」を心がけましょう。