結婚が決まったら。親への挨拶
その昔「お嬢さんを僕にください」が、憧れであったり、試練の場であったり、
結婚の代名詞というようなものでしたが
そのほかの多くのことと同じように、
この「挨拶」も時代に合った変化をしています。
と言っても、結婚式や婚約以上に「プライベート」な場であり
映像に残ることもほとんどないため、
他の人がどんなふうにしているのか、見る機会はほとんどありません。
今どきの「挨拶」とはどんなものでしょうか。

時代とともに変化していると言っても、
昔ながらの「定型イメージ」もとても大事にされています。
違うフレーズを言われたのに
「お嬢さんを僕にください」という定型文を想定していたために「娘はものではない!」と答えてしまったお父さんや
「お父さん、僕と結婚してください」と緊張のあまり不思議なプロポーズをしてしまった、など
びっくりするようなエピソードも珍しいことではありません。
こういう緊張の最高潮を「ともに経験すること」こそが素敵な家族の始まりの儀式のようにも思いますし
同じように緊張するパートナーと親の似たところを見て、結婚のその先を楽しみに感じたりすることもあるようです。
最近、有名人の結婚が話題になるたび、親への挨拶の場面が語られます。
インターネットで調べて臨んだけど、その場に出たら「切り出し方」がわからず、ずっと雑談をしてしまって
お父さんのほうから「今日は大安吉日ですね」と助け舟が出たという話もありました。
その様子が目に浮かぶようで微笑ましく感じたことも話題となりましたよね。

私はカップルからの相談を受ける時には、一般的な「10分くらいの雑談」は"高度な技"なので、違う作戦を用意しておいたほうがいいとアドバイスしています。
初対面とそうでない場合でも話の運び方は変わりますが、
初対面の場合には、まず「お願いをする前には、まず自分が何者であるか名乗る」という基本的なマナーに準じて、
簡単な自己紹介をして「信頼できる人物であること」「並々ならぬ思いでこの場にいること」を感じてもらったら、すぐに本題に入ることをおすすめしています。
結婚式と違って、この場にはどうしてもサポートに入ることができないため、これを託して、あとは祈るだけです。
コミュニケーションとは「自分の思い通りにしようとしないこと」が大事。
想定していた返事や想定していた質問が来なかったりしても、それで混乱したりしないよう、備えておくことも有効でしょう。
娘・息子が選んだ相手のことは、きっと受け入れて応援したいもの。
素直にそれが伝えられるようにすることが何より大切です。
「敵地」ではありませんが、事前のリサーチを怠らず、1度しかない「始まりの場」をしっかり味わってきてください。