―まずは〈アンドケーキ〉の特徴について教えてください。

鈴木さん：「こだわりのお菓子をよりおいしい状態でお召し上がりいただきたい」という理念のもと2020年にオープンした、実店舗を持たないオンライン専門のパティスリーで、ブランドの最大の特徴は冷凍での配送です。

―どうして冷凍ケーキ、そしてオンライン専門という形になったんですか？

鈴木さん：ケーキは出来たてが一番おいしいんですが、それを食べられる機会って実はなかなかなくて。冷蔵のショーケースに入っていても、時間とともに微妙に鮮度は落ちます。でもやっぱり出来たてを味わっていただきたくて、こだわった結論が冷凍でした。出来たてのケーキを急速冷凍しておいしさを閉じ込めれば、品質の高いフレッシュな状態の味わいを全国にお届けできるんです。そして、すべてが配送の冷凍ケーキであれば販売するための店舗も不要ということで、オンライン専門のこのスタイルに行き着きました。

―なるほど。では、今年のおすすめクリスマスケーキを教えてください！

鈴木さん：こちらの「ノエル フレーズ トンカ」です。

鈴木さん：毎年、新作のクリスマスケーキを作っているんですが、今年は世代を問わず日本人が好きな「苺」をテーマにしました。ただ、苺はフレッシュな状態で冷凍すると離水してしまうので、クリームにしたり、コンポートにしたりして使用しています。そしてさらに、苺は甘味や酸味に加えて 「香り」もしっかりとした個性があるので、それなら「香り」にフォーカスしたケーキを作ろうと思い、「トンカ豆」をあわせてみました。トンカ豆は南米原産の豆で、バニラや桜、杏仁などを思わせる香りを持っています。苺の甘みや酸味とあわせるとすごく相性がいいので、今回使ってみました。

―トンカ豆はどのように使っているんですか？そしてケーキ自体の中身はどうなっているんでしょうか。

鈴木さん：トンカ豆は中のレアチーズクリームとあわせています。それと、スポンジにもシロップを染み込ませました。構造としては、まわりのピンクの部分はホワイトチョコレートベースで仕立てた苺味のなめらかなクリームで、中のメインはレアチーズクリーム。その下が、果肉感のある苺とラズベリーのコンポートとスポンジ。そしてパッションフルーツのジュレを薄く入れて酸味のアクセントにしています。デコレーションは、ほんのり苺風味のシャンティクリームとホワイトチョコレートのプレート、フリーズドライの苺。爽やかな苺の香りとトンカ豆の甘い香りが口の中に広がっていく、上品なケーキに仕上げました。

―他に「ここを見てほしい」というポイントはありますか？

鈴木さん：やっぱり弊社のケーキならではの、このフォルムですね。こういう楕円形というのは珍しいと思います。箱を開けたときに、まずは見た目で驚いていただきたくて。食べておいしいのは当たり前なので、目でも感動していただきたいなと。

―おいしい食べ方を教えてください。

鈴木さん：常温で解凍するとどうしても状態が悪くなってしまうため、時間はかかりますが冷蔵庫で9〜10時間ゆっくりと解凍してください。朝のうちに解凍を始めれば、その日の夜には食べられますので、ちょっと辛抱で。完全解凍されるとより香りも出て、おいしい状態になります。口の中でクリームが溶けていくほどにいろいろな香りが押し寄せてきますので、それをじっくりと堪能してください。

―では最後にお客様へのメッセージを！

鈴木さん：クリスマスは家族や恋人など、大切な人といっしょに過ごす方がきっと多いと思います。そんな特別なイベントに〈アンドケーキ〉のクリスマスケーキが華を添えて、皆様に喜んでいただけたらとてもうれしいです！