スロヴェニア西部のゴリシュカ・ブルダ地区は、西側にイタリア、 フリウリ・ヴェネチア・ジューリア州と接する国境の産地。地名にある 「Brda(ブルダ)」はイタリア名でコリオ(Colio)と呼ばれ、いずれも 「丘」の意味です。ドメーヌ・ヴィコント・ド・ヌ-マリニッチはこの地の丘陵にある ワイナリーで、イタリア国境から5キロほどの距離に位置します。丘の斜面に階段状に開かれている畑は、片岩状の石灰岩が薄い表土の 下に有る為、根は地中深く伸びる事が出来ます。また北方に位置する アルプスから、南のアドリア海に向かって吹き降ろされる強い風によって、畑の衛生状態は自然に保たれています。ドメーヌの共同経営者のシャルル・ルイ・ド・ヌは、ピュリニー・ モンラッシェの第一人者であるドメーヌ・ルフレーヴの創業者、 ジョゼフ・ルフレーヴの曾孫です。現在のルフレーヴ当主のブリス・ド・ラ・ モランディエールの祖父ジョーは、シャルル・ルイの祖母ジャンヌの 弟という間柄。この地をブルゴーニュとも比較しうる優秀な土壌と 注目したシャルル・ルイは、古くから交流があるスロヴェニア人の アリス・マリニッチと共に2019年にドメーヌを立ち上げました。かつて18世紀、オーストリア大公マリア・テレジアによって9つのクラス分けで格付けされていた銘醸畑がこの地に存在したものの、残念ながらその格付けの継承は途絶え、現在では、それらの畑も耕作放棄され ていた状態だったのですが、シャルル・ルイの尽力で見事にその輝きを取り戻しました。ドメーヌでは当時の格付けの中でも上位である1級から5級ま での畑を所有しています。この格付け畑の末裔から産まれたワインは、エリゴーヌ・シリーズとヴィコント・ド・ヌ・マリニッチ・シリーズで味わえます。ブルゴーニュのノウハウとスロヴェニアの栽培経験とが融合したプロジェクトとして、注目を集めたヌ・マリニッチは、スロヴェニアと、 その隣国イタリアのプレスに大きく取り上げられ、初ヴィンテージの 2019年から早くも評価は高く、ウリアージ、サドレル、ピペロ・ローマ などのイタリアの星付きレストランで供されています。