テラッセンモーゼルと呼ばれるモーゼル川下流のウィニンゲン村とに畑を持つラインハルト・レーヴェンシュタイン。畑の土壌は7種類もの異なるスレートによって構成されており、彼はこのスレートの構成によって区画を分割している。中でも急斜面の段々畑で有名なウィニンガ―・ウーレンの畑からは世界中の愛好家が熱狂するリースリングを生み出し続けているが、その理由はこの畑のロケーションにある。斜面が南西~南東を向いているため、ブドウはより長い時間太陽を浴びることができる。さらに、斜面の頂上には森があるため、ブドウは秋の冷たい風からもしっかりと守られている。こうした自然条件が長い生育期間をもたらし、その結果ブドウの成熟が保証され、密度の濃いブドウから黄金色に輝くワインが生まれる。彼のワインが非常に濃く豊かで力強いスタイルに仕上がる所以である。通常開花から100日前後でブドウを収穫するところ、ヘイマンレーヴェンシュタインは最大160日まで引き伸ばすことで芳香成分とスレートに由来するフィネスを蓄積させる。収穫は11月に行われるが、ブドウはどれも通常よりも激しい昼夜の気温差を経験している。そのためアロマのポテンシャルを最大限に発揮した驚くほど芳香性の高いブドウが生まれるのである。こうした彼のワインはドイツのゴーミヨ誌から「このワインを飲むと他のグローセス・ゲヴェックスが退屈に思えてしまう」、ジャンシス・ロビンソンからは「疑っている人を何かのボトルで納得させなければならないなら、これだ」と絶賛される。さらにWA誌では95点以上をいくつも獲得し「偉大な、時代にふさわしいリースリング」と言わしめ、世界中の飲み手をうならせている。彼の造るリースリングが世界最上級の品質であることに議論の余地はないだろう。平均樹齢は40年、様々なスレート土壌のブドウをブレンドして作られる。よく熟したリンゴのフレーバーとスレートに由来するスパイシーなアロマ。口に含むと果実の完熟感、ボリュームがありながらもデリケートなミネラルのおかげでエレガントさが両立している。ミディアム-フルボディーで、フィニッシュには爽やかな辛口フレーバーが残るしっかりしたストラクチャーのリースリング。若くても熟成しても美味しいため、飲み頃を選ばずにモーゼルの魅力が味わえる。