◎THE WINE by TOKYU DEPARTMENT STORE 取扱商品
ブルゴーニュ・ルージュが村名ジュヴレ・シャンベルタン、村名ジュヴレ・シャンベルタンが1級畑。ブラインドで試飲すれば、どのワインもワンランク上のアペラシオンと間違えんばかりの充実感です。それほど秀逸なワインを造ってしまうのがクロード・デュガ。所有する畑は6ha余り。そのうち1.5haはブルゴーニュ・ルージュが占めるので村名以上はわずか4.5haにすぎません。クローンのせいか毎年ブドウの実はすこぶる小さい上、徹底的な選果をするため生産量はきわめて少なくなっております。おのずと需給バランスは狂い、市場で見つけるのは従兄弟のデュガ・ピィ同様、困難を極めています。とりわけ特級のグリオット・シャンベルタンとシャペル・シャンベルタンの少なさといったら、ルーミエのミュジニーやルフレーヴのモンラッシェ並みです。グリオットには0.25haの面積をもつが、恵まれた年でせいぜい2樽しか造ることができず、2010年と2011年は1樽半しか出来ませんでした。0.14haのシャペルはさらに希少で、1樽しか出来ない上に、デュガが折半耕作している畑のため、半分を地主に渡さなければなりません。ちなみにこのシャペル、地主に渡すのは収穫したブドウではなく、瓶詰めまで済んだワインだといいます。クロード・デュガのセラーはセリエ・デ・ディームと呼ばれ、中世に教会が村人から取り立てた年貢を納めていた場所です。教会の真向かいに位置する屋敷はおもに13世紀の建築になります。クロードの父モーリスの時代は出来上がったワインはほとんど全量、ネゴシアンに桶売りしていました。ドメーヌ元詰めはクロードが1982年頃から少しづつ始め、1993年からは全量元詰めとなっています。ワイン造りで特徴的なのは、今や一般的な発酵前の低温マセレーションを一切行わないこと。色調もしっかり、フレーバーも華やかなワインなのに意外です。そればかりか発酵中の温度管理もマロラクティック発酵の分析もせずにあれだけ素晴らしいワインを造ってしまうのだから、やはりただ者ではありません。「ブドウの出来がすべて」と語る人は数多くいますが、クロード・デュガほどその言葉に真実味のある造り手はいないかと思います。現在の当主は、長男のベルトランです。クロードはすでに2012年頃から半ば引退し、2015年頃から長男のベルトランにドメーヌ運営を任せていました。姉のルテシア、妹のジャンヌもワインづくりと運営に関わり、ドメーヌをしっかり支えています。