食育のヒント 5月フルーツたっぷりバルサミコサラダ食育コラム｜渋谷東急フードショー

サカイ優佳子のオススメ！

食育のヒント 5月フルーツたっぷりバルサミコサラダ

自分に枠を作っているのは自分かもしれない

「わ～～～っ！」スタッフの女性たちが声をあげました。
撮影で使った残りのフルーツ類をたっぷり切って、サラダ仕立てにしたものをドンとテーブルに出した時のことです。「彩りがきれいで妙にウキウキしちゃいますよね～」
切ってオリーブオイルとバルサミコで和えただけなんですけれどね。

フルーツたっぷりの食卓は、ゆったりしたホテルの朝食のイメージ。ホテルでとれば何千円もかかりますが、自分で作れば安上がり。基本切るだけだから準備も簡単。丁寧にいれたコーヒーと、近くのパン屋さんで買った焼きたてのクロワッサンや、カリッとトーストした食パンを用意して、ヨーグルトとお気に入りのジャムを添えましょう。自分を持てなすつもりで器やランチョンマットなどを工夫し、花の一輪でも飾れば、完璧な休日の朝、です。爽やかな風が吹くこれからの季節は、ベランダや庭にテーブルをしつらえてもいいですよね。

一人で出張することも多く、一人旅も好きです。そんな時に訪れた店の写真をSNSにアップすると、「一人飲み、いつかデビューしたいです！」というコメントがつくことが少なくありません。「今晩から早速デビューできちゃいますよ～！」そんなふうに答えています。
ストップをかけているのは、実は自分自身。「休みの日に一人で食事していたら寂しい女って思われないかしら？」「一人でいて変な人に声をかけられたらどうしよう？」「家族が許してくれるかしら？」などの小さなハードルたち。だからやらずにおこうというのも一つの考え。でも一方で、「やってみたいと思っているのに、何が自分にストップをかけているんだろう？」と一つ一つ考えてみると、ハードルだと思っていたことが、ちょっとした工夫で意外にたいしたことなくクリアできてしまうと気づくことも多いと思います。

長い友人から「優佳子さんと出会って一番の学びは、鯖の干物で人をもてなしてもいいっていう気づき」と言われたことがあります。食を仕事にしている私としては喜んでいいのか微妙ではあるのですが、人を自宅によんでご馳走するのに気負うことはないと気づいてから、気軽に人を招くことができるようになったと報告してくれたので、喜んでおくことにしました。

正解は一つだけではないし、これが今の自分にとって正解と決める覚悟を持つことが大事と感じています。こうありたい、これをしたい、と思うことがあれば、そのためにどうしたらいいのか考える。自分の常識を疑ってみる。やってダメなら、別の方法を考える。

食への姿勢は、人生への姿勢と共通するなあと感じています。
フルーツたっぷりの朝食も、一人飲みをゆったり楽しむのも、人を家に招くことも。私たちは、日々小さな決断を続けて生きているのだから。

#152 フルーツたっぷりバルサミコサラダ

材料(1人分)

いちご　4個
バナナ　1本
キウイ　1個
A［バルサミコ酢大さじ1/2、オリーブオイル大さじ1/2、塩ひとつまみ］
ひきたての胡椒たっぷり

作り方

1. いちごはヘタをとり、4つ割に。バナナは皮をむき、輪切りに、キウイは皮をむき、一口大に切る。

2. ボウルに1を入れ、Aを加えまぜて器に盛り、胡椒をたっぷりとかける。

サカイ優佳子

サステナブル料理研究家／一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

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