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Wine Columnワイン コラム

  • 伴良美のオススメ!

若草の香りのようなフレッシュなイタリア白ワイン
コルテ・アダミ ソアーヴェ 2021

ラベルが語るワイン物語

CDやDVDにジャケ買い、という言葉があるように、ワインもラベルが奇麗なものや、興味深いデザインのものには、つい手がのびてしまいます。実際にワインのラベルは、ワインの歴史やエピソードを伝えるものが多く、そこにはさまざまな情報や物語が隠れています。ラベルのささやきを聞きながらワインを飲めば、いっそう美味しく楽しく感じられることでしょう。

若葉が芽生えはじめ新緑が美しい季節には、緑のトーンを感じるフレッシュな白ワインを楽しんでみましょう。今回はイタリアのソアーヴェ地区の、清涼で非常にコストパフォーマンスにも優れたワインを紹介しましょう。

ラベルには歴史を伝える17世紀の木製の建物

写真:葡萄畑には今も歴史ある建物があり葡萄栽培に活用されている
真っ白なラベルに銀色の文字で書かれたCORTE ADAMI SOAVE(コルテ・アダミ ソアーヴェ)のワイン名。ソアーヴェはイタリアの白ワインの有名産地で、コルテ・アダミはこの地区でワイン生産に励む生産者の名前です。ラベルには葡萄畑に17世紀に建てられた木造家屋のイラストが描かれ、葡萄畑の長い歴史を伝えています。この建物の最上階からは畑が一面に見渡せ、新緑の季節には一斉に芽吹いた葡萄樹の美しい光景がみられます。

ソアーヴェ城のある丘陵地帯に広がる各付け畑

写真:ソアーヴェ城の周囲に広がる葡萄畑
この白ワインの生産地ソアーヴェは、ロミオとジュリエットの舞台で有名なヴェローナの街から約50㎞東にあります。ソアーヴェ城を中心に畑は広がり、日当たりのよい丘陵地帯はソアーヴェ・クラッシコDOCGというイタリアワインの中でも最上級の格付けを冠しています。

その中でも秀逸な生産者がこのコルテ・アダミ。元々は協同組合に葡萄を販売する葡萄農家でしたが、2004年に「ワイナリーを起こして、いつか子供たちと素晴らしいワインを造りたい」と切望。ソアーヴェの中でも特に歴史あるグランクリュ畑、カステリチェリーノ地区に約7haの畑を購入しました。

家族一丸となって妥協のないワイン造りを目指す

写真:コルテ・アダミの家族。
この畑は標高350mの高地にあるため、昼夜の寒暖の差が大きく、暖かい昼間には葡萄が豊かな果実味を、冷涼な夜間には美しくフレッシュな酸をもたらします。さらに特筆すべきは土壌の素晴らしさです。トゥフォと呼ばれる石灰質土壌が深層を占め、表土は黒い火山性土壌であるため、白い花のような芳香と豊かなミネラル感を備えたワインが生み出されるのです。

現在は父アンジエロ、息子アンドレア、娘マルティナが「家族で力を合わせて、妥協のないワインを造っていこう」と日々、葡萄栽培とワイン醸造に励んでいます。ラベルに描かれた建物は葡萄畑を購入した当時から、建てられていたもの。畑の素晴らしさを象徴するためラベルに描いたといいます。飾り気のないデザインですが、統一感と包容力に富んだワインの味わい、そしてワイン造りへのゆるぎない自信を感じさせます。

緑を感じる味わいが春野菜とぴったり

写真:和食との相性がとても良いソアーヴェのワイン
さて、このコルテ・アダミを含むソアーヴェのワインは、素直で流麗な個性をもつので、どのようなお料理ともよく合いますが、特に和食との相性がよいといわれます。緑のトーンも感じるワインですので、今の季節は春野菜ともぴったり。菜の花、ふきのとう、新キャベツなどのほか、これからも出回るタケノコともよく合います。天ぷらなどにして、ぜひソアーヴェとお楽しみください。 なお東急フードショーワイン売り場では、常にソアーヴェのワインは複数銘柄おいております。ほかにもピエロパンやジーニなどの生産者もございますので、ぜひお楽しみください。

渋谷 東急フードショーのおすすめ

コルテ・アダミ ソアーヴェ 2021
(750ml) 1,650円

生産地:イタリア・ソアーヴェ地区
味わい:白・辛口・フレッシュで軽快

イタリアで最も有名といわれる白ワインソアーヴェ。なかでもコルテ・アダミの生産者は丘陵地区で日当たりが良く、特に秀逸なワインを生み出すといわれるソアーヴェ・クラッシコに畑を所有しています。このワインは石灰質土壌由来のミネラル感、フレッシュで美しい酸、伸びやかな果実感を備え、料理との汎用性も広いコスパに非常に優れたワイン。アペリティフ、ピッツァ、魚介のパスタなどのイタリアンはもちろん、エスニックや和食料理にもよく合います。春は特に春野菜を使った和食とお楽しみください。

著者近影

伴 良美(ばん・よしみ)

ライター&ワインエキスパート。映画、食、旅を中心に執筆。ワインと食の情報誌「ヴィノテーク」、北海道新聞、岐阜新聞などの取材記者としても活躍。世界の銘醸地や映画の舞台を訪ねた連載コラムに、フジサンケイビジネスアイ「世界銘酒紀行」「名画の舞台」のほか「男と女 名画とお酒」「シネマの名言」などがある。