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Wine Columnワイン コラム

  • 伴良美のオススメ!

シャンパーニュ・マムの本家が造る 北緯50度線のリースリング G.H フォン・マム フィフティ・ディグリー・リースリング・トロッケン2015

ラベルが語るワイン物語

CDやDVDにはジャケ買い、という言葉があるように、ワインもラベルが奇麗なものや、興味深いデザインのものには、つい手がのびてしまいます。実際にワインのラベルは、ワインの歴史やエピソードを伝えるものが多く、そこにはさまざまな情報や物語が隠れています。ラベルのささやきを聞きながらワインを飲めば、いっそう美味しく楽しく感じられることでしょう。

マムの畑で生まれる秀逸なドイツワイン

写真:F1表彰式の公式シャンパーニュでも有名なコルドン・ルージュ
1827年に創立された名門シャンパーニュ・メゾンG.Hマム。F1の表彰式の公式シャンパーニュとしても世界にその名を知られ、赤いリボンをラベルに描いたコルドン・ルージュは、ワインファンなら誰もが知る人気のシャンパーニュですね。

長い歴史と伝統をもつマムの家柄ですが、実はその出自はフランス・シャンパーニュではなくドイツにあることはご存知でしょうか。今回はマム家がこよなく愛し、一族のルーツともなった畑が生む革新的スタイルのドイツワインをご紹介いたしましょう。

トレンドを表現した 辛口&モダンリースリング

写真:畑に立ちラベルにも描く北緯50°のシンボル〈写真提供:(株)八田〉
ワイン名は「G.H von Mumm 50°Riesling trocken (ゲー・ハー・フォン・マム フィフティ・ディグリー・リースリング・トロッケン)」。その名前の通り、マム家が所有していた北緯50°に位置する、秀逸な畑のリースリング葡萄から造られたワインです。

そのラベルも、緯度を明示したシンボルを描いたスタイリッシュなデザイン。ワインもモダンでキレのある辛口(トロッケン)で、青リンゴのような爽やかな芳香とエレガントでバランスに優れた味わいを備えています。

一族のルーツは 故郷ラインガウ の銘醸地

写真:マム家のルーツでローレライや世界遺産でも有名なライン渓谷
マム家はドイツのライン渓谷出身の一族で、ケルンでワイン商として成功をおさめ、フランスに進出。1827年に3人の兄弟が力を合わせてシャンパーニュ・メゾンを設立しました。しかしそれ以前からマム家は、ドイツきっての銘醸地であるラインガウのヨハニスブルグ村に葡萄畑を所有し、そこは一族の出身地で最愛の地。ドイツの貴品種であるリースリングから、自分たちのルーツを表現する素晴らしいワインを生み出してきました。

2度の世界大戦を経た1950年代後半、マム家は様々な事情から愛するヨハニスベルグの畑を手放さざるをえない状況に追いやられます。やがてドイツの起業家ルドルフ・エッカー氏が畑を買い取り、醸造設備をさらに充実させ、その意思を受け継いでゆきます。

北緯50度の畑が生む 溌剌とした果実味とエレガンス

写真:傑出したリースリングを生む、北緯50°の畑〈写真提供:(株)八田〉
マムの愛した畑は現在も、ラインガウのヨハニスベルグ村、アスマンズハウゼン村、リューデスハイム村、ガイゼンハイム村、ヴィンケル村に65㏊存在し、ミネラル豊かで優雅で調和に優れた素晴らしいワインを生み出しています。その一つがこの、フィフティ・ディグリー・リースリング。北緯50°は秀逸な葡萄を栽培する北限であり、まさにマム家が成功をおさめたシャンパーニュ地方と同じ緯度にも位置しています。

ヨハニスベルク村のこの畑は、夏でも冷涼な気候から酸がフレッシュでミネラル豊かなワインを生み、南向きの日当たりのよいローム・レス層の土壌はドイツが誇るリースリング栽培に最適な環境です。凝縮した美しい果実味と生き生きとした酸は、フレッシュサラダ、魚介のマリネ、コールドチキンなど、前菜や夏向きのお料理とも好相性。コストパフォーマンスにも非常に優れています。暑さが増すこれからの季節、ぜひともご家庭の食卓でお楽しみいただきたいワインです。

東急フードショーのおすすめ

G.H フォン・マム フィフティ・ディグリー・リースリング・トロッケン2015
(750ml) 1,728円

生産地:ドイツ・ラインガウ地方・ヨハニスベルグ村
葡萄品種:リースリング100%
味わい:白・辛口トロッケン
輸入元:(株)八田

シャンパーニュ・マムの生みの親であるG.Hマムが、ドイツの銘醸地ラインガウ地方ヨハニスベルグ村で造る、辛口でモダンスタイルのリースリングワイン。南向きの斜面で北緯50°に位置する畑は、涼しくも穏やかな気候で素晴らしいテロワールを備え、成熟度が高い葡萄から傑出したリースリングワインを生み出します。素晴らしい葡萄の美しい果実味を活かすために、温度管理されたステンレスタンクで発酵。桃や青リンゴのような豊かな香り、レモンのようなフレッシュな酸を備え、エレガントで調和がとれた気品ある味わいです。
2017年には、ジャーナリストやソムリエなど、女性のワイン専門家が選出する「サクラアワードゴールド賞」を受賞。前菜、サーモンなどの魚料理、チキン、サラダ、旬菜を盛り込んだ和食や寿司など、どんなお料理とも寄り添う汎用性の高さも魅力。夏の食卓に涼を呼ぶワインは、8℃位に冷やしてお楽しみください。

著者近影

伴 良美(ばん・よしみ)

ライター&ワインエキスパート。映画、食、旅を中心に執筆。ワインと食の情報誌「ヴィノテーク」、北海道新聞、岐阜新聞などの取材記者としても活躍。世界の銘醸地や映画の舞台を訪ねた連載コラムに、フジサンケイビジネスアイ「世界銘酒紀行」「名画の舞台」のほか「男と女 名画とお酒」「シネマの名言」などがある。