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Wine Columnワイン コラム

  • 伴良美のオススメ!

愛娘の結婚で生まれた 祝福のスパークリングワイン フランシス・コッポラ・ソフィア・ブラン・ド・ブラン 2017

ラベルが語るワイン物語

CDやDVDにジャケ買い、という言葉があるように、ワインもラベルが奇麗なものや、興味深いデザインのものには、つい手がのびてしまいます。実際にワインのラベルは、ワインの歴史やエピソードを伝えるものが多く、そこにはさまざまな情報や物語が隠れています。ラベルのささやきを聞きながらワインを飲めば、いっそう美味しく楽しく感じられることでしょう。

ジューン・ブライドの6月は、ウエディングにもふさわしいブラン・ド・ブランのスパークリングをご紹介しましょう。それは、映画『ゴッドファーザー』で知られるフランシス・コッポラ監督が、愛娘の結婚を祝してリリースした“ソフィア”。大切な人のお祝いにもふさわしい、繊細にして優美な祝福のためのワインです。

愛娘の結婚に ラベルには名前とメッセージが

写真:ピンクのセロファンに包まれたロマンティックな包装も人気
ワインの名前は「フランシス・コッポラ・ソフィア・ブラン・ド・ブラン」。葡萄の枝が円を描く優美なラヴェル・デザイン。その中央には愛娘ソフィアの名前がしっかりと刻まれ、娘へのメッセージの言葉が記されています。今や映画界の巨匠にして、偉大なるワイナリーのオーナーであるフランシス・コッポラ監督は、娘ソフィアがまだ幼い時ある約束をします。「君が大きくなって結婚するとき、君のためだけのワインを造ろう」。

シャンパーニュのように華やかに

写真:愛娘の願いをかなえ約束のワインを造りあげたフランシス・コッポラ監督
やがて、ソフィアは美しく成長し、映画「ゴッドファーザーPARTⅢ」に出演。さらに1999年には、映画監督のスパイク・ジョーンズと結婚することに。その際彼女は、父に「約束のワイン」に対しこう願いを伝えています。
➀シャンパンのように華やかで
➁シャンパンほどガス圧が高くなく柔かな泡立ち
➂そして価格は手頃であるように

モントレー畑由来の フレッシュで華やかな芳香

写真:映画以上に情熱を燃やしソノマにも新ワイナリーを建設。
この願いをかなえ生まれたのが、白葡萄だけで造った「ソフィア・スパークリング・ワイン・ブラン・ド・ブラン」。ソフィアが願ったシャンパーニュのような華やかさは、このワインに使われる葡萄が育つモントレー・カウンティのテロワールに由来します。そこはシャンパーニュ地方と同じく気候が涼しく爽やか。葡萄の生育期間が長く葡萄はゆっくりと成熟します。そのためシャンパーニュのように酸が美しく、アロマが豊かで深みがあるワインが生まれるのです。

「ワインは映画と同じくアートである」と述べた彼は、1975年、「映画以上」とも思える妥協を許さぬ厳格な姿勢で伝説のワイナリー「イングルヌック」を再建します。そして、カリフォルニア・ナパワインの傑作であるルビコンを生み出しました。

知的でスタイリッシュ、しなやかで包容力ある新ワイナリー

写真:映画のシーンのような華やかな内観のフランシス・コッポラワイナリー。素敵なレストランやワインショップも併設。
やがて彼は2006年に、ソノマに新しく「フランシス・コッポラワイナリー」を設立。そこでは高価なグランヴァンではなく、これまで培った高い醸造技術を駆使しながら家族や友人と楽しめるフードフレンドリーなスタイルのワインを生み出してゆきました。このソフィア・ブラン・ド・ブランもここで造られ、お祝いの食卓のためのワインとして今も多くの人々に親しまれています。

ちなみに娘ソフィアは結婚後、映画監督としての才能を開花させ、東京が舞台の異色ラブストーリー『ロスト・イン・トランスレーション』ではアカデミー脚本賞をみごと受賞。映画『マリーアントワネット』でも類まれな才能を見事に発揮。このワインと同じく、知的でスタイリッシュ、かつ、しなやかで包容力のある女性として魅力ある人生を歩んでいます。

東急フードショーおすすめ

ソフィア・コッポラ・ブラン・ド・ブラン・スパークリング
(750ml) 3,132円

生産者:フランシス・フォード・コッポラ・ワイナリー
生産地:カリフォルニア州モントレー
葡萄品種:ピノ・ブラン、マスカット、ソーヴィニヨン・ブラン
タイプ:白・発泡・やや辛口

偉大なるワイナリーのオーナーでのあるフランシス・コッポラ監督が、愛娘の結婚祝いにリリースした、白葡萄のみで造るブラン・ド・ブランのスパークリング。アプリコットやスイカズラのような芳香、柔らかな泡立ちと美しい酸味、そしてデリケートでフレッシュな果実味が魅力。ラベルには父フランシスが自由奔放でチャーミングな魅力をもつソフィアを表現した形容詞を書き連ねています。父の愛情がたっぷり詰まったワインは、結婚のお祝いなど祝福の席にも。さらにピンクのセロファンが愛らしく女子会にもピッタリ。果実本来の甘みは食前酒に、また魚介料理など食中酒としてもお楽しみいただけます。

著者近影

伴 良美(ばん・よしみ)

ライター&ワインエキスパート。映画、食、旅を中心に執筆。ワインと食の情報誌「ヴィノテーク」、北海道新聞、岐阜新聞などの取材記者としても活躍。世界の銘醸地や映画の舞台を訪ねた連載コラムに、フジサンケイビジネスアイ「世界銘酒紀行」「名画の舞台」のほか「男と女 名画とお酒」「シネマの名言」などがある。