名家アンティノリが誇る伝説的スーパータスカン。サンジョヴェーゼとカベルネ・ソーヴィニヨンの黄金比が生む、凝縮感としなやかさを兼備した一品。アンティノリは、はるか14世紀よりワイン史に足跡を残すイタリアワイン界の名門。こちらはワイナリーの名声を世界中に知らしめたフラッグシップ。イタリアで初めてサンジョヴェーゼの熟成に小樽を使用し、国際品種をブレンド。肉付きの良いスタイルで、余韻に長く続く複雑な香りが、このワインの偉大さを象徴しています。ブドウ造りでは、世界でアンティノリだけが取り入れている「アルベレーゼ・システム」という、白い石を使用したサンジョヴェーゼの栽培方法が最大の特徴。土壌由来の大きな白い石を砂利の大きさまで砕き、ブドウ樹の列に地中20cm程度から地表まで捲きます。そうすることで水はけが良くなり、石に反射された光がサンジョヴェーゼの果実をゆっくりと熟成させ、水っぽく、酸味だけが際立つのを防止。また雑草の繁殖も阻止する役割があります。これらの試みによって甘やかなタンニンを持った、質の高いブドウが収穫されます。しかしこのアルベレーゼ・システムは大変な手間とコストが必須のため、アンティノリでもテヌータ・ティニャネロのみがこの方法を取り入れています。ティニャネロの畑は24個の区画に分けられ管理されていますが、収穫後も24個のタンクを使用し、別々に醸造と樽熟成が行われます。最も重点を置いているのは「しなやかさと繊細さ」を保ちながら抽出を行うこと。フレンチオークやハンガリアンオークの小樽を使用し、ティニャネロは16~18か月熟成を経た後、その中で適したキュヴェだけが初めてブレンドされ、その年の味わいが完成。最後の瓶熟成を経てリリースされます。外観は黒味を帯びた濃い紫色。完熟したブラックッベリーやカシス、ブルーベリーなどの濃密な果実香に、甘草やハーブのニュアンス、そして樽熟成由来のチョコレートや煙草の風味が見事に溶け合っています。しっかりとした凝縮感がありながらも、口当たりはエレガントで滑らか。果実の旨味が溢れる、力強い味わいです。余韻にかけては溌剌とした酸が洗練された印象を与え、ほのかに甘さを含んだ、滑らかなタンニンが長く美しい余韻を演出。圧倒的なストラクチャーを感じさせる1本です。