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  • サカイ優佳子のオススメ!

食育のヒント 9月 米とん入りアフリカ風スープ

オクラをもっと楽しもう!

夏に田園地帯にでかけると、道の駅などでオクラの花が売られているのをみかけます。アオイに似たクリーム色の柔らかい花びら、花芯はエンジ色。さっと湯がいて食べると、花にもまたぬめりがあるのにちょっと驚きます。オクラは、一般的には茹でて鰹節と醤油、あるいはマヨネーズなどで食すことが多いですが、山形の郷土料理の「ダス(ダシ)」は暑い日にもおいしい大好物。茹でたオクラの他、茄子や胡瓜、大葉、茗荷などを細かく刻み、醤油ベースの味をつけてご飯にかけて。ガスパチョの日本版といった趣です。若いころ、オクラは日本語だと思っていた時期がありました。英語でokra。なっている様が女性の指のようというわけで別名Lady’s fingersともよばれます。原産地はエチオピア付近のアフリカ。そこから広まって、とくに暑い地域で栽培され、食されています。いろいろな国のオクラ料理を知って食卓に取り入れてみたいもの。

カーペンターズの歌の歌詞にもでてくるのはアメリカ・ルイジアナ州のガンボ。肉あるいはシーフードを、セロリ、ピーマン、玉葱(現地ではこの組み合わせを「聖なる三位一体」と呼ぶのだそうです)とともに煮るとろみのあるスープで、ご飯にかけて食します。横須賀のアメリカ南部料理の店できいたところによると、フィレパウダーという日本ではまず手に入らない植物の葉を使うものと、オクラでトロミをつけるバージョンとがあるそうです。日本で作るなら当然オクラバージョン。インドでもオクラはよく食されています。簡単なところでは、玉葱をよく炒めたところに刻んだオクラと青唐辛子、トマトを入れて炒め煮し、ターメリックとクミンなどで味付けするお惣菜。さらに簡単にするならカレー粉利用、もアリですね。

ここ数年、必ず作り、作るたびにおいしいと思うのは、アフリカ風のトマトとオクラのシチュー。22年前、ケニアをテントで旅した時、同行をお願いしたコックさんが作ってくれた料理はほぼ毎日、なんらかの肉となにがしかの野菜が入った薄いカレー味のスープでしたっけ。そんなことを思い出しながら、でも自分で作るならもうちょっとコクを出して、と少し工夫してみました。

ご飯にかけて、パンとともに、もよいのですが、ぜひ試していただきたいのがすいとん。小麦粉、あるいは米粉を水で溶いてスプーンで汁の中にそのままポトンポトンと落として浮いてきたらできあがり。酷暑の今年は9月に入ってもまだ暑い。夏の名残りを惜しみつつ、野菜たっぷりの一皿料理を楽しんでみてくださいね。

#120 米とん(米粉のすいとん)入りアフリカ風スープ
材料(2人分)

玉葱 1/2個
オリーブオイル 大さじ1
鶏ももひき肉 100g
完熟トマト 2個
水 300cc
オクラ 10本
カレー粉 大さじ1程度
塩 小さじ3/4程度
胡椒少々
レモン汁 小さじ2
米粉 50g
水 50cc程度

作り方

1 玉葱はみじん切りにし、オリーブオイルでしんなりするまで炒める。

2 1に鶏ももひき肉とざく切りにしたトマトを加えて炒めあわせたら、ヘタを取り、7mm幅に切ったオクラを加えざっと炒めたら水を加える。

3 カレー粉、塩を加え、沸騰したら、弱火で10分ほど煮る。

4 水でといた米粉をスプーンなどで落とし入れ、火がとおったら、仕上げに胡椒とレモン汁を加える。

サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

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