食育のヒント 5月 基本の粒マスタード
粒マスタードを手作りしてみる
以前、小学生を対象にトマトをテーマにした食育講座を開催した時のこと。地元の農家の方にもご協力いただき、朝採れトマトを使って最後はケチャップ作りをしました。子どもたちも夢中で作ってくれましたが、見学にいらしていたお母様たちの方が「ケチャップって家で作れるんですね!」と前のめり。その後、「家でも作ってみました!」「簡単でした!」とたくさんの方からご報告をいただきました。
市販されている食材、家で作ってみると「思っていた以上に簡単!」なものが意外にあるのです。
先日初めて作ってみたのが、粒マスタード。あるお店で「自家製です」と添えられていたのを食べてから、作ってみたいなと思っていました。そんな折、立ち寄った鎌倉のお店でブラウンマスタードシードを発見。どうせ作るならイエローだけではなく、辛みが強めのブラウンも混ぜて作りたかったので、購入して早速挑戦です。
ブラウンマスタードシードはベンガル地方の料理によく使われますが、油で炒めることで辛さは和らぎ、ナッツのような風味がでます。でも今回は火を通さないので辛味を期待。
マスタードシードは文字通り、「種」です。だからもやしを作ることも実はできてしまいます。そんなマスタードシードをまずは水に2~3時間ほど浸けて柔らかくしたら、すりこぎなどで粗く潰します。潰すことでとろみがつくのがおもしろいです。そこにお酢と塩を加えて混ぜれば基本的に出来上がり。驚くほど簡単。市販の粒マスタードに比べて種のプチプチ感が際立って、愛おしい感じに仕上がります(笑)。
次は白ワインで戻してみようか、ハーブやドライフルーツを混ぜてみようかなど、昔訪れたディジョン(マスタードで有名)の市場を思い出しながらバリエーションを楽しんでみようと思っています。
#164 基本の粒マスタード
材料(2人分)
イエローマスタードシード 大さじ1
ブラウンマスタードシード 大さじ1
白ワインビネガー 大さじ2
塩 小さじ1/4強
作り方
1. 二種のマスタードシードは水に2~3時間ほど浸けておく。
2. 1の水気をよく切ったら、すりこぎなどで粗く潰し、白ワインビネガーと塩で味を調える
※風味が落ち着くまで一晩冷蔵庫で寝かせるとなおよい。
冷蔵庫で二週間程度は十分保存可能ですが、その前にきっと食べきってしまうと思います。
サカイ 優佳子
サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。
関連リンク
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(https://profu.link/u/yukakosakai)
サカイ優佳子の 楽しく 美味しく 未来を創る
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著書
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「超快腸!ドライマンゴーをヨーグルトでもどすだけ!!」
(主婦の友社) -
「乾物マジックレシピ」
(山と渓谷社) -
「毎日食べたい乾物ヨーグルトレシピ決定版」
(世界文化社) -
「ヨーグルトでもどす魔法の乾物レシピ 」(主婦の友生活シリーズ)
DRYandPEACE・佐藤 秀美 監修(主婦の友社) -
「乾物Every Day」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
-
「米粉食堂へようこそ」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
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「いそがしママの楽しい食卓レシピ」
サカイ優佳子著(サンマーク出版)
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「感じる食育 楽しい食育」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
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「世界の料理」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(ポプラディア情報館)
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「しぜんをたべよう!げんきなカラダをつくるたべものたち」
サカイ優佳子他 監修(農山漁村文化協会) -
「米粉ランチ―パスタに、チヂミに、どんぶりになる米粉のレシピ40」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(農山漁村文化協会)