東急百貨店90周年ver

渋谷 東急フードショー

営業情報
  1. 東急百貨店
  2. 渋谷 東急フードショー
  3. コラム一覧
  4. 食育コラム

Baby Column食育 コラム

  • サカイ優佳子のオススメ!

食育のヒント 12月 わらびのポタージュ

わらびを簡単に戻すワザ(わらびのポタージュ)

乾物料理の達人たちを訪ねて、11月初旬の山形を3日ほど旅してきました。
ほぼすべての家が冷蔵庫を持つようになり、いつでも食べたいものが手に入るコンビニやスーパーが身近にあるようになって、乾物を日常に使う人は激減しました。山形の内陸部には、でも、今も乾物を作り大切に食べることが日々の暮らしの中にまだ根付いています。

ヒョウと呼ばれる草は関東ではスベリヒユと呼ばれ、よく見ればそこかしこに生えている雑草。それを摘んで干したヒョウを使う料理は「ひょっとするといいことあるかもね」と正月の食卓に欠かせないといいます。この時期ちょうど干し上がったばかりの里芋の茎、芋がらは、納豆をすり鉢で摺ったものを入れた味噌汁「納豆汁」に。「芋がらが入らない納豆汁は砂糖の入らないあんこのようなもの」なのだそうです。

少し先の食卓をイメージして、日々の食事作りを連続したものとして捉えることができれば、たとえ時間はかかるとはいえ、基本は水に浸けておくだけで下ごしらえが完了する乾物は、むしろ手がかからないという見方もできます。
野菜を育て、乾物にして無駄なく食べようというこの地域の60代70代の女性たちは、若い世代にその伝統をつないでいきたいと、無理せず手軽に作り、食べ続けていけるような工夫をこらし、言葉でその暮らしぶりで、伝えていこうとしています。 そんな中から生まれたワザを一つ教えていただきました。

乾物らしい乾物の一つ、わらびの簡単な戻し方。ゼンマイも同じように戻すことができます。 たっぷりの水とともに干しわらびを鍋に入れて沸騰直前まで加熱したら、炊飯器の保温キーで8時間。夜に仕掛けておけば朝起きたらワラビはしっかり戻っています。戻したワラビはよく水でアクを洗い流したら、お浸しに味噌汁に、炒めものにサラダにと便利に使うことができます。 そんなワラビを、今回は、そのとろみを活かしてポタージュにしてみました。

#171 わらびのポタージュ
材料(2人分)

干しわらび 20g
バター小さじ1
玉ねぎ1/8個
鶏ガラスープ 200cc
牛乳 100cc
塩・胡椒 各少々

作り方

1. 干しわらびはさっと洗い、圧力鍋にひたひたの水と共に入れて火にかけ、圧力がかかってから3分加熱する。すぐに蒸気を抜いて蓋を取り、冷めたら水で濁りが出なくなるまで洗う。あるいは、洗った干しわらびをたっぷりの水と共に鍋に入れ、沸騰直前に保温状態にした炊飯器に移して8時間ほどおく。

2. 1をざく切りにして、みじんぎりの玉ねぎとともにバターで炒めたら、鶏ガラスープを加える。

3. 沸騰したら2~3分煮て牛乳を加え一煮立ちさせ、塩・胡椒で味を調えて、ミキサーで滑らかにする。

サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

関連リンク

サカイ優佳子のホームページなどはこちら
https://profu.link/u/yukakosakai

サカイ優佳子の 楽しく 美味しく 未来を創る
https://www.reservestock.jp/subscribe/113493

著書