食育のヒント 10月 はじき葡萄
江戸料理の発想力に感服!
江戸しぐさ、江戸のデザイン、エコタウン江戸、など、近年、江戸時代を見直そうという動きが大きくなってきています。江戸時代の料理もその一つ。当時は今に比べて食材も少なく、調味料も限られていました。たとえば私たちが今当たり前に食べているトマトやピーマンも、日本で食べるようになったのは明治時代になってから。キャベツやじゃがいもも本格的に栽培されるようになったのはやはり明治以降。江戸時代の料理を再現したという料理本を初めて見た時には、だからとても驚きました。組み合わせが斬新!発想が新鮮!一つの食材、たとえば大根だけを使って、それを切ったりおろしたりして食感を対比させ、さらには大根の加工品であるたくあんをあわせて梅酢と生姜で味を調えて一つの料理に仕上げてしまう三種合せ大根は衝撃的ですらありました。料理のレシピを考える際には、食材の味を組み合わせるだけではなく、食感、香りをどう馴染ませるのか、あるいは対立させるのかイメージを膨らませます。
江戸の料理書を眺めていると、現代に生きる私たちの発想の貧困さを思わず恥じ入ってしまいそうなほど。そんな江戸の料理の中でも、おしゃれこの上なく、意外な組み合わせがなんとも馴染み、食べればもちろん美味しい。はじき葡萄というこの料理。サラダのような感覚でも食べられるし、前菜としてほんの少し出すにも気が利いています。葡萄がおいしいこの季節、ぜひお試しください。
#121 はじき葡萄
材料(3~4人分)
大粒の葡萄(種なしがおすすめ) 12粒
大根おろし 1/2カップ
のし菊(あるいは生の菊) 適量
酢醤油 適量
生姜の絞り汁 小さじ1/4
作り方
1 葡萄は皮をむく。
2 のし菊は熱湯をかけて戻し、あら熱をとる(生の菊の場合は、ヘタをとり、酢を少々入れた湯でさっとゆがく)。
3 1を器に入れたら大根おろしを盛り、酢醤油と生姜の絞り汁をかけたら、2を上に飾る。
4 ワインにあわせるなら、酢醤油の変わりにバルサミコ酢をかけ、最後にひきたての胡椒をふりかけてどうぞ。
サカイ 優佳子
サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。
関連リンク
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(https://profu.link/u/yukakosakai)
サカイ優佳子の 楽しく 美味しく 未来を創る
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著書
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「超快腸!ドライマンゴーをヨーグルトでもどすだけ!!」
(主婦の友社) -
「乾物マジックレシピ」
(山と渓谷社) -
「毎日食べたい乾物ヨーグルトレシピ決定版」
(世界文化社) -
「ヨーグルトでもどす魔法の乾物レシピ 」(主婦の友生活シリーズ)
DRYandPEACE・佐藤 秀美 監修(主婦の友社) -
「乾物Every Day」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
-
「米粉食堂へようこそ」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
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「いそがしママの楽しい食卓レシピ」
サカイ優佳子著(サンマーク出版)
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「感じる食育 楽しい食育」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
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「世界の料理」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(ポプラディア情報館)
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「しぜんをたべよう!げんきなカラダをつくるたべものたち」
サカイ優佳子他 監修(農山漁村文化協会) -
「米粉ランチ―パスタに、チヂミに、どんぶりになる米粉のレシピ40」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(農山漁村文化協会)