食育のヒント 3月 クスクスの混ぜるだけリゾット風
クスクスは火を通さずに食べられるから、もしもの時にも強い味方
昨年暮れから、乾物を使った防災食の講座や食の備蓄に関する読書会を定期的に開催しています。それに伴って防災食に関する本を何冊も読み、農水省の備蓄に関する懇談会にも出席しています。
乾物は、野菜や海藻の種類も多く、食物繊維も豊富。常温で長期保存ができるので備蓄にも向いています。乾物を普段から使いこなすことができれば、食の防災訓練になる、私はそう思っているのです。
ところで、日本人はどんな時でも、やはりお米を食べると元気が出ると思います。でも、お米は炊くのに時間がかかります。水もたくさん必要です。なので、そんな時に、火を通さなくても食べることができる穀物にどんなものがあるかを知っていること、そして食べ慣れていることは、実は大事ではないかとも考えています。炭水化物がなければカロリー不足にもなりかねず、元気も出ません。
そんな一つがクスクス。北アフリカやフランスなどでよく食べられているデュラムセムリナ小麦で作られた「世界最小のパスタ」。見た目はキビに似ています。製造過程で火を通していること、また、小さいために水分に浸して30分ほどおけば食べられることが魅力です。普通に食べる場合は熱湯を注いで5~8分ほどで済む便利さもあり、フランスに住む日本人で「お米は高いからクスクスのお世話になっている」という人も少なくないようです。マリネサラダのように水分が多めの料理だったら、混ぜるだけでその水分で戻すことも可能です。
先日の講座でも「クスクスは初めて」という方が、「これは美味しいですね!」と大絶賛してくださったレシピをご紹介します。材料を混ぜるだけで出来上がり。ポリ袋の中でも作れる「もしも」の時にも心強い味方です。
「食べものから水分を少なくすることによって、常温長期保存が可能な食材」を乾物と捉えています。そう、クスクスも乾物なのです。
#1861 クスクスの混ぜるだけリゾット風
材料
無塩トマトジュース 200ml
クスクス 50g
塩昆布 4g
チリメンジャコ 4g
好みで乾燥ハーブ(オレガノ、ハーブミックスなど)や粉チーズ適量
作り方
すべての材料をあわせ、よく混ぜたら30分待つ。
※トマトジュースは濃厚なタイプを使うとより美味です。
※チリメンジャコや粉チーズは常温保存可能な商品もあります。
サカイ 優佳子
サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。
関連リンク
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(https://profu.link/u/yukakosakai)
サカイ優佳子の 楽しく 美味しく 未来を創る
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著書
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「超快腸!ドライマンゴーをヨーグルトでもどすだけ!!」
(主婦の友社) -
「乾物マジックレシピ」
(山と渓谷社) -
「毎日食べたい乾物ヨーグルトレシピ決定版」
(世界文化社) -
「ヨーグルトでもどす魔法の乾物レシピ 」(主婦の友生活シリーズ)
DRYandPEACE・佐藤 秀美 監修(主婦の友社) -
「乾物Every Day」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
-
「米粉食堂へようこそ」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
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「いそがしママの楽しい食卓レシピ」
サカイ優佳子著(サンマーク出版)
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「感じる食育 楽しい食育」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
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「世界の料理」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(ポプラディア情報館)
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「しぜんをたべよう!げんきなカラダをつくるたべものたち」
サカイ優佳子他 監修(農山漁村文化協会) -
「米粉ランチ―パスタに、チヂミに、どんぶりになる米粉のレシピ40」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(農山漁村文化協会)