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  • サカイ優佳子のオススメ!

食育のヒント 5月 蒲鉾入りアレンテージョ風

アサリと豚⾁の組み合わせ!

子どもの頃、千葉の富津でアサリの潮⼲狩りをした思い出があります。日差しは明るく、初夏を思わせるような⽇でも、海の⽔はまだ冷たくて⾜がひやっとしたのを覚えています。砂だらけになりながらアサリをバケツに集めたのは家族の楽しい記憶です。アサリといえば⼤好きなのはお味噌汁。そしてボンゴレ、アサリのリゾット。旨味の強さはやは りアサリならでは。そして、もう⼀つ我が家の定番は、アサリと豚⾁のアレンテージョ⾵。ポルトガル南部のアレンテージョ地⽅の郷⼟料理の⼀つです。アレンテージョは豚⾁が美味しいこと でも有名なのだそうです。

初めて⾷べたのは1998年のマカオでだったでしょうか。残念ながらポルトガルを訪れたことはないのですが、アサリの旨味と豚⾁の旨味が合わさってとても美味しいと思ったものです。海の幸と⼭の幸をともに⼀つの料理に⼊れる習慣があまりない⽇本⼈としては、ちょっと新鮮な組み合わせ。でも、こうした「思い込み」を外すと新たな味覚に出会うチャンスも⽣まれます。家庭で作る料理も、「こうでなければ」というルールをちょっと外してみると、意外な美味しさを創ることができるかもしれません。

東京湾では1984年以来アサリが減ってきて、潮⼲狩り⽤にアサリを「撒いて」いると聞くこともあります。アサリの減少は、そもそも埋め⽴てによって漁場が減ったこと、そのために漁獲競争が激化しとりすぎたこと、海底にたまるプランクトンの死骸などが分解されるときに多くの酸素を要して海の中が貧酸素状態になることなどが原因とされているようです。アサリの美味しさは格別ですが、過剰採取を防ぎ、絶滅危惧種なんていうことにならないようにするには、外国船のバラスト⽔に混じってきたのでは?と⾔われ、丈夫で安価なホンビノス⾙を使ってアレンテー ジョ⾵を作ることも考えなくてはいけないのかもしれませんね。

今回のレシピには、⽇本ならではの蒲鉾も⼊れて⿂の旨味もプラス!で作ってみました。

#188 蒲鉾入りアレンテージョ風
材料

蒲鉾 160g、あさり 300g
豚ロースソテー⽤ 100g程度
⽟葱 1/4個、にんにく 1/2⽚
プチトマト⾚ 6個・⻩ 3個
パプ リカパウダー ⼤さじ1/2
オリーブオイル 適量
⽶粉(あるいは⼩⻨粉)少々
⽩ワイン ⼤さじ2
胡椒 少々
レモン 1/2個

作り方

1. 玉葱とにんにくはみじん切りにする。

2. 蒲鉾は拍子木に切る。

3. 豚⾁は2と同様に切って、米粉をはたく。

4. プチトマトは半分に切る。

5. 鍋にオリーブオイルと1を入れて中弱⽕にかけ、玉葱がしんなりするまで炒める。

6. 3の豚⾁を加え、中⽕で⾁の表⾯の⾊が変わるまで炒める。

7. 2の蒲鉾、4のプチトマトを加え、ひと炒めしたら、あさりと⽩ワイン、パプリカパウダーを加えて蓋をし、中弱 火であさりの口が開くまで火を通す。

8. 胡椒をふり、薄切りにしたレモンを飾る。

※現地ではパプリカペーストを使うそうですが、手に入りやすいパプリカパウダーを使っています。 揚げたジャガイモを最後に加えることも多いといいます。

サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

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