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食育のヒント 12月 三宝茶

ノンカフェインのドリンクを求めて~私流「三宝茶」

コーヒーや中国茶、日本茶が大好きだったのに、数年前に突然カフェインが苦手な体質になって、私は、日常の楽しみの一つを失ってしまいました。

日本茶は小さい頃から飲んでいたのですが、実家では18歳になるまで、なぜかコーヒー、紅茶を禁じられており、飲み始めたのは大学に入ってから。好きになったのはいいのですが、28歳のとき、濃い紅茶を二杯飲んだ帰り道、電車の中で気絶するという事態に。それから12年間、コーヒーと紅茶を再び封印していました。
40歳になって、何がきっかけだったか、一日二杯までならコーヒーを飲めるようになりました。2倍成人式でやっと大人になれた(笑)!と、スペシャルティコーヒーを中心に愉しむ10数年を過ごしたのですが、、。

そんなわけで、ここ数年カフェイン飲料を避ける暮らし。最近のルイボスティーやハーブティーブームは、だから大歓迎なのです。

ある日、中国本土でも認められている中国茶の茶藝師の女性から、「ノンカフェインのお茶会をやるから来ませんか?」とお誘いいただいて、9月に出かけてきました。
その日のテーマは八宝茶。中国のお土産で市販の八宝茶の素のようなものを買って帰ることもあったのですが、彼女が淹れてくれた八宝茶はそれとは全く異なるものでした。八宝茶とは言っても、8種類を入れるのではなく、たくさんあれこれ入れるという意味なのだそうです。

乾燥ハイビスカス、蓮の実の芯、麦門冬、甘草、桂圆(龍眼を乾燥させたもの)、菊花茶、乾燥棗、サンザシ、なまのリンゴや梨、バラの花びら、レーズンなどなどを大きな器に氷砂糖と一緒に入れて熱湯を注ぎます。柄杓でつぎ分けながら飲み、少なくなってきたらまた熱湯を注いで何度も、、。
見た目も美しく、美味しく、参加した女性たちからは歓声が上がりました。

ただ、さすがにこれだけの材料を揃えるのは簡単ではありません。日常に飲めるように、本当にシンプルに3つの材料だけで作る八宝茶ならぬ三宝茶を考えてみました。涼しくなってきてからは、この三宝茶をいつも水筒に持ち歩いています。家に戻るとふっくらと戻った棗とレーズンを食べるのもまた美味しいのです。乾燥ハイビスカスのおかげで美しいピンク色に染まるので、家で飲むときは、耐熱ガラスの透明なグラスに入れてゆっくり色の変化を楽しんでいます。

彼女によれば、ハイビスカスはクエン酸を多く含むので疲労回復にも良いとされますが、茶葉と合わせると酸化させてしまうのでNGとのこと。また、熱湯を加えることで色がよく出るため、水出しにせず、冷たく飲みたいときは熱湯で入れてから冷ますか氷を入れるのが良いそうです。
カフェインが苦手な人も、そうでない人にも、ぜひ試してみていただきたい「三宝茶」です。

#195 三宝茶
材料(一杯分)

乾燥ハイビスカス 1g
レーズン(オイルコーティングされていないもの) 20粒
干しナツメ 1個
熱湯 200cc

作り方

全ての材料を合わせ、10分ほど置く。

※3回ほどは熱湯を注ぎ足して楽しむことができます。

サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

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