食育のヒント 4月 干し筍
筍を干して保存する
この季節に一度はやはり味わっておきたいのが筍。
あまり小さいものを茹でても食べるところが少ないからとか、一本だけ茹でてもとか、、、。
そんな思いからついつい茹で過ぎてしまうこともある私です。
そんなときはぜひ、筍を干してみてください。
私が干し筍と初めて出会ったのは、もうだいぶ前、友人が持ってきてくれたことから。
九州、特に南九州では干し筍を自宅で作る方も多いようで、ご出身の方から「母がたくさん送ってくるんですけれど、食べきれないんですよね」と苦笑まじりに聞かされたことも何度かあります。
干し筍は、発酵させてから乾燥させるメンマとは違います。商社にお勤めの方から乾燥メンマをいただいて戻したことがありますが、丸3日もかかる大変さ。美味しいものの、さすがにそこまでするのなら塩漬けのメンマを塩抜きして食べる方が便利だなと思いました。
干し筍は、茹でた筍をそのまま干すだけで作れます。
茹でただけの筍とはまた違うキュッと引き締まった食感が、戻しても残り、また別の味わい、美味しさになります。
使い方は、水に浸して沸騰させたらそのまま7~8時間冷ますのが一般的ですが、ただ水につけて7〜8時間おいても戻ります。前者の方が少し柔らかく戻ります。また、急ぐ時は、20分ほど茹でることで早く戻すこともできます。
干し筍は、筍料理全般に使えますが、特に炒め物にするときにその食感の美味しさが際立つように思います。
今日は料理ではなく、干し方をご紹介します。せっかくの春の味。無駄なく美味しく食べきりたいですから。水煮の筍からも作れます。お試しください。
#199 干し筍
干し筍の作り方
茹でた筍は、使いたい大きさに薄切りにして、ざるや焼き網などの上に、重ならないように並べて干す(薄いほど早く乾く)。
室内でも特に問題はない。
干し始めの日は、湿度の低い日が望ましい(一日めにどれだけ乾くかが鍵なので)。
1日に一度は上下を返すなどしてカビが生えていないかをチェックすること。
天候にもよるが、5~7日程度でパリパリに乾く。
完全に乾いたら、紙袋、紙箱、木箱など、通気性のある容器に入れて保存する。
サカイ 優佳子
サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。
関連リンク
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サカイ優佳子の 楽しく 美味しく 未来を創る
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著書
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「超快腸!ドライマンゴーをヨーグルトでもどすだけ!!」
(主婦の友社) -
「乾物マジックレシピ」
(山と渓谷社) -
「毎日食べたい乾物ヨーグルトレシピ決定版」
(世界文化社) -
「ヨーグルトでもどす魔法の乾物レシピ 」(主婦の友生活シリーズ)
DRYandPEACE・佐藤 秀美 監修(主婦の友社) -
「乾物Every Day」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
-
「米粉食堂へようこそ」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
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「いそがしママの楽しい食卓レシピ」
サカイ優佳子著(サンマーク出版)
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「感じる食育 楽しい食育」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
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「世界の料理」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(ポプラディア情報館)
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「しぜんをたべよう!げんきなカラダをつくるたべものたち」
サカイ優佳子他 監修(農山漁村文化協会) -
「米粉ランチ―パスタに、チヂミに、どんぶりになる米粉のレシピ40」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(農山漁村文化協会)