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食育のヒント 11月 タラのお気楽ブランダード

秋も深まってくると、鱈が安く美味しくなってきます。

鱈は北大西洋に広く分布している魚です。日本では8割程度が北海道でとれ、岩手、青森まで入れると90%を超える、寒い海でとれる魚です。

一年365日毎日別の鱈料理を食べることができるほどに鱈料理の種類が多いと言われているのはポルトガル。ポルトガルといえば、ヨーロッパの中では暑い地域ですよね。
実はポルトガルの鱈料理は、生ではなくバカリャウと呼ばれる干した鱈を使うのです。フランスの地方都市に住んでいた時によくいったポルトガル食材店には干し鱈が山のように積まれていました。元ポルトガル領のマカオにも干し鱈料理を食べさせる店がたくさん。なぜなのでしょうか?

「鱈 世界を変えた魚の歴史」(マーク・カーランスキー著、飛鳥新社)という本によれば、大航海時代、長い航海の間に食べ物をどうするかは重要な問題で、鱈は塩をして干すことで良質な保存食になるため、鱈がいる海域を航路に選んだといわれているのだそうです。干し鱈が鱈の産地ではないポルトガルの日常食になったのは、そんな歴史があったからなのですね。

もう随分前のことになりますが、パリのルーブル美術館のレストランで食べたブランダードの味は、今でも忘れられません。
ブランダードとは、プロバンスの古い言葉で「かきまぜる」という意味を持つのだとか。スペインやポルトガル、イタリアなどでも食べられているそうですが、南フランス、特にニームという都市の名物料理とされています。
干し鱈を戻してほぐしたものと、南仏なのでバターではなくオリーブオイル、ニンニク、牛乳などが入ったマッシュポテト状の料理です。ルーブルで食べたものはバターの香りがしていたように記憶しているので、私はバターで作っています。干し鱈は手に入りにくいので塩鱈で作ってみたら、とっても簡単な料理になりました。

鱈も最近不漁と聞きます。魚の資源を大事にしながら食べ続けていきたいものです。

#206 タラのお気楽ブランダード
材料

A [甘塩ダラ 200g、牛乳 100ml、ベイリーフ 1枚、にんにく 1かけ]
じゃがいも(小) 2個(約200g)
B [牛乳 1カップ、バター 大さじ1]
塩・胡椒 各少々

作り方

1. Aを鍋に入れて火にかけ、沸騰させない火力を保ちながらタラに火を通す。

2. ジャガイモは皮をむいて小さく切り、Bとともに火にかけて煮る。

3. タラを取り出し、さっと洗って皮と骨を取り除く。

4. 2と3、1の牛乳をフードプロセッサーに入れて滑らかにしたら、塩・胡椒で味を調える。

ポイント
フードプロセッサーに長くかけると粘りが出るので、粘りを嫌うのであれば、ガッガッと間欠的にかけると良い。

サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

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