食育のヒント 7月 えのき茸の梅和え
その家ならではの料理ってありますよね。
ウチにも、もう四半世紀作り続けている料理が、いくつもあります。
このえのき茸の梅和えも、そんな一つ。20代の頃から、夏になると作っている料理です。途中から、使う梅干しは自家製になり、大葉も庭に毎年こぼれ種で出てくるようになったものを使っています。
ところで、近年、えのき茸に含まれるキノコキトサンが注目されています。キノコキトサンには、体内の余分な脂肪をからめとって便とともに排出させる働きを持つとともに、脂肪が体内に吸収されるのを防ぐ働きもあるとされます。この2つの働きが内臓脂肪を減らし、ダイエットに有効だと考えられているのです。
とはいえ、このキノコキトサンは、えのき茸を冷凍するあるいは乾燥させることによって細胞壁を壊さないと、カラダに吸収されないとも言われています。
私は乾物料理の研究をしているので、えのき茸を干してから調理する方法も提案し、発信しています。でも、今回ご紹介するこの料理は、生のえのき茸をさっと茹でて使った方が美味しいんですよね。
科学の発展で、食に関しても今までわからなかったことがわかるようになることは、素晴らしいことです。でも一方で、これからも、今は解明されていない新しい発見があることも考えられます。かつては、食物繊維はゴミだと考えられていたことでもわかるように。
栄養があると言われているから、有名人が勧めているから、、、。
頭で食べるのではなく、素直に美味しいから食べる、体が欲しているから食べるというのが、本来であるはず。お腹の調子が悪ければ、草を食べる猫のように。私たちにヒトにも本来、そうした感覚は備わっているはずです。
夏が近くなると作りたくなる、食べたくなる料理。
素直に楽しみたいと思います。
#214 えのき茸の梅和え
材料
えのき茸 80g
きゅうり 千切り 1/2本分
茗荷 千切り 1/2個分
梅干し (大) 1個
大葉 千切り 4枚分
塩 少々
醤油 少々
白胡麻 適量
作り方
1. えのき茸は、小房に分けてさっと茹でて、粗熱が取れたら水を絞る。
2. きゅうりと茗荷は塩少々を振りかけてもみ、数分置いたらぎゅっと水気を絞る。
3. 1と2、たたいた梅干し、大葉を合わせ混ぜる。
4. 醤油で味を調え、白胡麻を指先でひねって振りかける。
サカイ 優佳子
サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。
関連リンク
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サカイ優佳子の 楽しく 美味しく 未来を創る
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著書
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「超快腸!ドライマンゴーをヨーグルトでもどすだけ!!」
(主婦の友社) -
「乾物マジックレシピ」
(山と渓谷社) -
「毎日食べたい乾物ヨーグルトレシピ決定版」
(世界文化社) -
「ヨーグルトでもどす魔法の乾物レシピ 」(主婦の友生活シリーズ)
DRYandPEACE・佐藤 秀美 監修(主婦の友社) -
「乾物Every Day」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
-
「米粉食堂へようこそ」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
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「いそがしママの楽しい食卓レシピ」
サカイ優佳子著(サンマーク出版)
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「感じる食育 楽しい食育」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
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「世界の料理」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(ポプラディア情報館)
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「しぜんをたべよう!げんきなカラダをつくるたべものたち」
サカイ優佳子他 監修(農山漁村文化協会) -
「米粉ランチ―パスタに、チヂミに、どんぶりになる米粉のレシピ40」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(農山漁村文化協会)