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食育のヒント 2月 お気楽軽羹

軽羹 (かるかん) は父の想い出の味

亡くなった父は、私が3歳から4歳の頃、仕事で福岡に住んでいました。当時父が好きになって買ってきたのでしょう。太宰府の梅ケ枝餅や、熊本名物の辛子レンコン、博多明太子、長崎のかんころ餅、福岡のひよ子などは、千葉に住んでいましたが、子どもの頃から馴染みがありました。

先日、九州出身のご近所さんから、鹿児島のお土産に軽羹をいただきました。食べたのは20年ぶりくらいかもしれません。「父が好きだったなあ」と、とても懐かしくなりました。原材料を見てみたら、自然薯、砂糖、米粉のみ。なんと潔い!

自然薯は、自生する天然の山芋。鹿児島県(薩摩藩)の、火山灰によるミネラルを豊富に含む土地に育つ自然薯は、粘りも風味も格別なのだそうです。そんな特産品自然薯を使ったお菓子「軽羹」は、御用菓子として、薩摩藩から諸藩へのもてなしや進物にされてきた歴史があるとのことです。

ちょうど千葉の清和の良質の自然薯がたくさん手に入ったので、作ってみることにしました。鹿児島ではかるかん粉と呼ばれる粉が市販されているそうですが、これは米粉で代用しました。かるかん粉は、うるち米を粉にしたものという点では米粉と同じ。ただ、かるかんに最適な細かさ、風味に仕上げられており、山芋を混ぜ込みやすく、蒸しているときに割れにくいのが特徴なのだそうです。何を変えるとそんな特徴が出るのでしょうね?和菓子の世界は深いなあと思います。

甘さは控えめにしてみました。また、自然薯ではなく大和芋で作る場合を考えて、泡立てた卵白を加えています。しっかり粘りのある自然薯だったら卵白なしでも作れそうです。
比率は、自然薯:砂糖:米粉=6:3:4。
自然薯の風味豊かな米粉蒸しパンといった感じ。餡子を入れたかるかん饅頭もありますが、刻んだりんごやレーズンを入れて蒸すのも美味しそうです。
基本混ぜて蒸すだけ。御用菓子の品格はないかもしれませんが、家庭で食べるには十分美味しくできたんじゃないかな?お試しくださいね。

#233 お気楽軽羹
材料

自然薯 (皮を剥いて正味。大和芋でも)  90g
砂糖 45g
卵の白身 1個分
米粉 60g
水 大さじ2 (30ml)

作り方

1. 自然薯は皮を剥き、酢水 (分量外) に5分ほどつけてからすりおろす。

2. あればすり鉢に1を入れ、砂糖を2~3回に分けて入れながらすり混ぜて滑らかにする。すり鉢がなければ泡立て器やヘラなどでよく混ぜる。

3. 硬く泡だてた卵白を加え混ぜたら、さらに米粉を加えまぜる。

4. 粉っぽさがなくなったら、水を少しずつ加え混ぜる。

5. 4を薄く油 (分量外) を塗った器の7分目くらいまで入れたら、蒸気が上がった蒸し器に入れて強火で20分ほど蒸す。

6. 竹串をさして何もついてこなければ出来上がり。

サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

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