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  • サカイ優佳子のオススメ!

食育のヒント 4月 発芽豆のカレー風味炒め

食べ続けることは、種を継承していくこと

3月は農業に関わる方々とお話をする機会が多くありました。
「さて、小学校でさつまいもを育てる授業をするから、冬場とっておいた種芋がどうなっているかチェックしなくちゃな」。そうひとりごちた後に農家の彼が付け加えたのは、「全部食べちゃいけないんですよ。食べきらずに残しておく。それでなくちゃ人間が食べるものがなくなってしまう。次世代に種を残していくこと、繋いでいくことが実は僕ら農業者の一番大事な仕事だと思うんですよ。」

内モンゴルの緑化に取り組む男性からききました。

内モンゴルでは、1960年代には82万㎢あった草原が2000年までにはその半分以下の38万㎢にまで減少。元は海や湖だったこの地域は、植生がなくなり、表土がなくなるとその下には砂が堆積していて、あっという間に砂漠化が進んでしまうのだそうです。

植生がなくなる原因の一つは、過放牧。カシミヤが売れて儲かるから。それでも牧草が全部枯れてしまうほどに家畜をたくさん飼ったら、牧草を育てようとしなかったら、気づいた時には家畜を育てることができる土地ではなってしまいます。風で巻き上げられた砂は日本までも飛んで来る黄砂の原因でもあります。異国のこと、と無関心でいるわけにはいかないのです。

その土地を再生しようと今、そこに住む人たちにとっては現金収入に結びつく牧草を植え、杏の木を植えることを指導しながら、緑化を進めている人たちがいます。
植物を活かすことによって、私たちも活かされている。この二つの話をきいて思いました。

育てた植物を食べきらずに種を生かし、それを食べていく。

家畜にすべて食べさせずに、植物が増えるペースで家畜を増やす。

ずっと食べ続けていくことができるように、そんな当たり前のことをきちんと子どもたちにも知ってもらいたい、伝えていきたい、見せたい、感じてもらいたい。

「さて、では、発芽する豆ってどんな豆でしょう?」

大人にも子どもにも質問します。豆は種です。私たちはそれを食べています。これも当たり前のことなのですが、意識したことがなかったという方、実は多いようです。

まずは自分が食べているものに意識をむけること。それが食育の第一歩と思うのです。

#115 発芽豆のカレー風味炒め
材料(2人分)

好みの豆をいろいろ(皮がむかれている豆、つぶされている豆、半分に割ってある豆などは発芽しません)あわせて1カップ分。

作り方

発芽豆を油で炒め、一番大きな豆に火が通ったのを確認したら、好みの量のカレー粉、塩、胡椒で味を調える。
※今まで食べたことがない食感の豆料理です。


発芽豆の作り方
豆は1時間ほど水に浸したら、キッチンペーパーや晒をひいたザルにあげる。
朝晩、全体を洗うように水をかけ、乾かないように気をつけて常温において、夏なら2~3日、冬なら3~5日程度、皮の端が割れて小さな芽が出るまで待つ。
発芽したら、茹でる、炒める、揚げるなどお好みで。5分も火を通せば食べられます。

サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

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