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食育のヒント 11月 塩豆腐のオリーブトッピング

先入観ない目で豆腐を見てみれば

ベジタリアンが10人に1人とも言われるドイツで、ここのところ豆腐の人気が高まっているとNHKのニュースが伝えていました。ドイツの豆腐メーカーのサイトを見てみると、日本のもののように簡単に崩れたりはせず、むしろ、中国の押し豆腐のような見た目です。そして味がついていないものの他に、オリーブ入り、カレーマンゴー味、スモーク豆腐などの製品が並んでいます。植物性であっさり味のチーズに近い扱いのように感じられます。

思い起こすのはこんなこと。今となっては豆腐を使ったスイーツなどいくらでも見られますが、私が子どもの頃は考えられませんでした。豆腐スイーツは実はアメリカからの逆輸入。初めてそれを聞き、口にした時は本当に驚いたものです。
「豆腐はこうやって食べるもの」
そんな思い込みが日本人全体の中にいつの間にかあり、それが食文化であるともいえるわけですが、豆腐という食材の可能性を特にそれ以上追求することなく暮らしてきたともいえます。

一方、初めて豆腐を見るアメリカ人にとっては「大豆を原料にした滑らかな食感で白くて、尖った味はしない食材」だったのでしょう。「生クリームに似ているけれどカロリーも低いし、植物性というのはいいな」あたりからスイーツへと発想は広がったのだと思うのです。
 人が動くことで、食材や料理も広まっていきます。私たちにとって身近な食材も、先入観のない目でみれば、もっといろいろなおいしい食べ方ができるやもしれません。

ドイツの豆腐の話題でオリーブ入りという話があったことから、スパイスをきかせた(といっても辛くはない)オリーブのペーストを、あえて奴風に切った塩豆腐にのせて前菜にしてみました。みかけは味噌漬けを刻んだものを奴にのせたのかな?と思うであろうところも「先入観」を裏切ります。
 オリーブは苦手、という人も少なくないかもしれませんし、娘もその1人ですが、このペーストは好んでよく食べます。「オリーブ自体が苦手なのではなく、あるオリーブの食べ方が苦手なだけ。」これもまた自分の好みに対する先入観を崩すことに繋がりますね。
お試しください。

#134 塩豆腐のオリーブトッピング
材料(作りやすい分量)

黒オリーブ(種なし)1カップ
ケイパー 大さじ1
アンチョビフィレ 3枚
白ワインビネガー 小さじ1
オリーブオイル 大さじ2
塩、胡椒 各少々
A[カルダモンパウダー、コリアンダーパウダー、クミンパウダー、シナモンパウダー]各少々

作り方

塩豆腐の作り方
1. 豆腐1丁につき、塩小さじ1程度を表面に万遍なくぬったら、ペーパータオルなどに包んで冷蔵庫で7~8時間おく。

タプナード(黒オリーブのペースト)の作り方
1. ブラックオリーブ、ケイパー、アンチョビはみじん切りにする。
2. すべての材料を混ぜ合わせる。(Aはすべて揃わなくても大丈夫。極論すればAなしでもまたおいしく食べることができます)

サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

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