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  • サカイ優佳子のオススメ!

食育のヒント 6月 クスクスのヨーグルト戻し

「こうでなければ」をはずしたら、もっとおいしい!を発見

私たちは、ともすれば先入観に縛られています。先入観に縛られていることにすら気づかずに暮らしていることも少なくないといえるかもしれません。それは料理を作る時にも、きっと。
20年も前。カリフォルニアのナパのデリで、初めてファラフェルを食べました。ヒヨコ豆のコロッケをピタパンに入れ、レタス少々とともにタヒーニ(白ゴマのペースト)をかけて。おいしい!と思い、帰国してからレシピを探してみました。
当時日本にはまだ食べられる場所はありませんでした。英語のレシピをみつけて再現しようと試みたのですが豆がまとまらない。レシピをよく読んでみて気づきました。豆を茹でるなんてどこにも書いていないのです!
「豆は戻して茹でるもの」私の頭の中には日本人としての「常識」がありました。そのため、実はヒヨコ豆を水に浸けたら、フードプロセッサーで細かくしてハーブ類と塩を加えて丸めて揚げるだけというシンプルなプロセスだというのに、勝手に豆を茹でていたのです。豆がくっつくはずの炭水化物を洗い流してしまっていたようなもの!

このゴールデンウイークにパリを訪れました。今パリではこのファラフェルが大ブレイク中のようなので、一番人気という店を訪れてみました。カリフォルニアのそれとは違って、これでもかというほどの色とりどりの野菜がたっぷりと入ったファラフェル。これもまた美味!

クスクスを使ったタブーレ(パセリたっぷりのクスクスサラダ)については昨年8月にこの連載でレシピを紹介しています。暑さを感じるようになると無性に食べたくなる料理の一つです。

日本で売られているクスクスのパッケージには大概「湯で8分戻す」とあります。少し前まで、クスクスは湯で戻さなければいけないと勝手に信じていました。
でも考えてみれば、クスクスの原料は小麦。一度蒸すという工程を経て製品化されているのですから、再び火を通さずとも食べることはできるはず。もちろん熱湯で戻すよりは時間はかかるかもしれませんが。

フランスで料理の修行をしたシェフに質問してみました。「時間はかかるけれど大丈夫ですよ」との答え。であれば、料理によっては白ワインで戻したり、オレンジジュースで戻したりといったことだって可能なわけです。

3倍程度のプレーンヨーグルトに入れてクスクスを戻してみたら、7~8時間入れておくとホエーを吸って柔らかくなりました。何も味つけせずにこのまま食べてもなかなかおいしい。サラダに入れてもいいし、メープルシロップや蜂蜜、シナモンとともにスイーツとして。あるいはカルダモンパウダーをちょっとふってグリーンレーズンとあわせてエキゾチックな付け合わせに。

先入観をはずし、あれこれ味を想像してみると、料理はほんとうにおもしろい!そんなことを感じた経験でした。

#141 クスクスのヨーグルト戻し
材料

クスクス 50g
プレーンヨーグルト 150g

作り方

1. クスクス50gは、プレーンヨーグルト150gに入れてよく混ぜ、冷蔵庫に入れて7~8時間おく。

サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

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