東急百貨店90周年ver

渋谷 東急フードショー

営業情報
  1. 東急百貨店
  2. 渋谷 東急フードショー
  3. コラム一覧
  4. 食育コラム

Baby Column食育 コラム

  • サカイ優佳子のオススメ!

食育のヒント 7月 自家製ツナ

自家製ツナは意外に簡単!

コンフィ(confit)という言葉を知っていますか?フランス語で、塩漬けした肉をその肉の脂でじっくり低温であげ、その脂の中に浸したまま保存する方法をさします。冷凍庫がない時代に、肉を長く食べ続けるための知恵でした。鴨のコンフィや、それを使ったカスレという郷土料理を召し上がったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ところで、私たち日本人も、実は「コンフィ」した食べものを好んで食べています。ツナ缶。スーパーにいけば何種類ものツナ缶が売られているくらいですから、キッチンに常備している方も多いのではないでしょうか。

ツナ缶の原料となるまぐろは、いくら大トロといえども、肉類と違って調理に使えるほどの量の脂を含まないため植物油の中でコンフィするのが普通ですが、調理法は同じです。

だいぶ前のこと、小学生を対象にケチャップを手作りする講座を開催した時に、「ケチャップって手作りできるんですね!」と驚くお母様が少なくありませんでした。そもそも手作りできないものは基本的にはなく、そのプロセスが面倒だったり、大量に作らないと経済的でなかったり、原料の入手が難しかったりといった理由で、大量生産され市販されるようになったと考える方が自然です。ツナも同様。でも実は驚くほど簡単に手作りできます。

用意するのは刺身用であれば赤身の安いサクで十分。油はオリーブオイルなら風味が豊富ですが、好みの植物油で構いません。まぐろの表面に塩をして30分ほどおいたら、周りの水気をしっかり拭き取り、香味野菜を入れた油の中で90度ほどで30分以上煮たらそのまま冷ます。グツグツさせてしまうとまぐろの唐揚げになってしまうのでご注意を。その点だけ注意すれば、調理はいたってシンプルです。

香味野菜は、ベイリーフ(ローレル)やローズマリー、タイム、にんにく、玉葱、長ネギ、セロリ、パセリなど好みのものを適当に。その後の展開を考えるのであれば、ベイリーフやパセリ程度にシンプルにしておくのがよいかもしれません。できあがったら冷蔵庫に保存します。油の中にひたされていることで、まぐろが雑菌にふれず、ゆうに1ヶ月は日持ちするはずです。とはいえ、自家製はとてもおいしいのでその前に食べおわってしまうこと請け合います。

そのまま食べるのはもちろん、サラダやサンドイッチ、パスタの具に。おしゃれな容器に入れれば手土産にも使えます。ぜひトライしてみてくださいね。

#142 自家製ツナ
材料

刺身用まぐろ(赤身) 1サク(150g~180g程度)
塩小さじ 1/2
オリーブオイル、あるいは他の植物油(まぐろを入れた時にひたひたになる程度)
※鍋の大きさによるので分量は書きません
ベイリーフ 2枚

作り方

1. まぐろは半分の長さに切り(小さめの鍋で作る方が油を節約できるために長さを短くするのがおすすめ)、塩を全体にまぶしてバットなどにのせて30分ほどおく。
2. 1のまぐろの表面の水分を拭きとり、鍋に油とベイリーフとともに入れ、中弱火にかける。
3. 油の温度が上がってきたら(手をかざしてあたたかいなと思ったら)極弱火に変えて30分ほど蓋をせずに煮る。途中上下を返す。
4. 火を止めてそのまま冷まし、あら熱がとれたら冷蔵庫に入れる。

サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

関連リンク

サカイ優佳子のホームページなどはこちら
https://profu.link/u/yukakosakai

サカイ優佳子の 楽しく 美味しく 未来を創る
https://www.reservestock.jp/subscribe/113493

著書