食育のヒント 9月 自家製柚子胡椒
柚子は世界に~青柚子の清新な香りを食卓に~
この夏の猛暑の中、お気に入りの和食屋さんで青柚子の香りのおすましをいただきました。「季節を先取りしてもう青柚子なのね」と思い帰宅したら、我が家の庭の柚子の木にも青柚子、しっかり実っていました。黄色く色づいてくれば否が応でも目に入りますが、緑色の時は葉の色にまぎれていて意識しないと気づかないものですね。
青柚子の時期に作りたいのが自家製柚子胡椒。黄色くなってからでも作ることはできますが、青柚子の清新な香りは素晴らしく、青唐辛子もまだ安く手に入るのでやはりこの時期に作りたいのです。材料は柚子と青唐辛子と塩のみ。
初めて柚子胡椒を口にしたのは、20代。九州出身の女性からお土産にと手渡されました。「関東ではまだ知っている人は少ないですが、鍋にも焼き肉にも、とにかく何にでもあうんです」と。それから20年以上。柚子胡椒は地元の小さなスーパーにも置かれるようになっています。海外に住む娘が帰省の際に必ず買い込むものの一つでもあります。
そして柚子はここ数年フランスでも大人気。ゴールデンウィークにパリで料理教室に参加した時にも、講師が「柚子と山葵はパリの高級店で使わない店はないんじゃないかな?」と話していたほど。彼も砂糖と醤油で煮た蕪をスライスした上に柚子風味のポン酢で味をつけた刺身用鮭をのせ、シブレットを飾る料理を前菜として作っていました。柚子胡椒はさすがにありませんでしたが、日本の基本調味料がほぼ揃っているキッチンで、日本からの生徒は初めてとのことで質問攻めにあいました。日本の料理への関心はパリで相当に高まっているという印象を受けました。フランスで高級レストランに入ったら柚子胡椒が使われていた!ということもこれからはあるかもしれませんね。
さてそんな柚子胡椒の作り方をご紹介します。青柚子以外でも無農薬のレモンやライムなどで作るレモン胡椒やライム胡椒もまた一興。お試しください。
#144 自家製柚子胡椒
材料
青柚子の皮と青唐辛子(生)を同量用意
塩適量
作り方
1. 青柚子は洗って水気をよく拭き取ったら、おろし金で皮の青い部分だけをおろすあるいは薄く削ぎ切り、細かく刻む。
2. 青唐辛子は粗いみじん切りにする。辛いのが苦手な場合は、開いて種をのぞいてからみじん切りにするとよい。
3. 1と2に柚子の果汁をあわせてミキサーにかけて(あるいはすり鉢であたって)、塩で調味する。
※多めに作ったら冷凍保存可能です。
サカイ 優佳子
サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。
関連リンク
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(https://profu.link/u/yukakosakai)
サカイ優佳子の 楽しく 美味しく 未来を創る
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著書
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「超快腸!ドライマンゴーをヨーグルトでもどすだけ!!」
(主婦の友社) -
「乾物マジックレシピ」
(山と渓谷社) -
「毎日食べたい乾物ヨーグルトレシピ決定版」
(世界文化社) -
「ヨーグルトでもどす魔法の乾物レシピ 」(主婦の友生活シリーズ)
DRYandPEACE・佐藤 秀美 監修(主婦の友社) -
「乾物Every Day」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
-
「米粉食堂へようこそ」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
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「いそがしママの楽しい食卓レシピ」
サカイ優佳子著(サンマーク出版)
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「感じる食育 楽しい食育」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
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「世界の料理」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(ポプラディア情報館)
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「しぜんをたべよう!げんきなカラダをつくるたべものたち」
サカイ優佳子他 監修(農山漁村文化協会) -
「米粉ランチ―パスタに、チヂミに、どんぶりになる米粉のレシピ40」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(農山漁村文化協会)