食育のヒント 12月 シンプル牡蠣ご飯
牡蠣三昧!
牡蠣がおいしいシーズンになりました。
定番はやはりフライですが、数年前、広島の居酒屋さんで「広島ではフライより人気!」と勧められたのが牡蠣の天婦羅。天つゆでいただいたのは初めての経験でした。アメリカ人の友人は「オイスター・ロックフェラーが一番!」と主張。ほうれんそうなどの青菜のピュレとパン粉をのせてオーブンで焼いたこの料理は19世紀に開発されたというので、アメリカでは古典料理といってもいいでしょう。韓国だったら小麦粉と卵の衣をつけて焼くジョンもまた美味。中国だったらトウチとともに炒めるのが定番料理でしょうか。
娘は、一度牡蠣を食べ過ぎてあたって入院し、もう牡蠣は食べないというかと思いきや、「試験の前は避けるとか、スケジュールを確認してから食べるようにしている」と。食いしん坊の血を感じました。実は周りでも牡蠣にあたった話はよくききます。これほどあたることが多い食べものにも関わらず、広く食べられているものも他にあまりないかもしれません。それだけ魅力ある食材であるということなのでしょう。
とくに生牡蠣が人気なのは、ある意味不思議です。加熱すればまだあたる確率は減ると言われるのに、つい最近まで刺身を食べることのなかった欧米でも、生牡蠣は古くから食べられているのですから。
17年前、フランスの内陸の田舎町に住んでいた時にも、町の中心にあるレストランではほとんどの人が前菜に生牡蠣をたのんでいました。カナダの島で食べた生牡蠣の味は今も忘れられません。港でたっぷりと購入した牡蠣は、小ぶりながらもミルキーという言葉を実感する濃さ。実はその牡蠣のルーツは日本にあるとききました。あとで調べてみたところ、世界の食用牡蠣の80%は石巻がルーツという説もあるようです。
ところで、我が家で、旬の時期に何度も作る牡蠣料理があります。もしかしたら一番好きかも。というのは牡蠣ご飯。ある時、大量の牡蠣をいただいて、さてどうしようと思った時、たっぷりの牡蠣をお酒少々を加えただけでお米とともに炊いてみました。炊き上がりに好みで塩、ゆず果汁、刻み生姜などを少々。醤油やましてや甘みは絶対に加えないのが私流。牡蠣の旨味と香りが一口ごとに鼻腔をぬけ、牡蠣好きにはたまらないおいしさ。素材の味がストレートに味わえます。
だ~い好きな牡蠣のシーズン。これからしっかりたっぷり楽しみますよ~。
#147 シンプル牡蠣ご飯

材料
米 2合1
酒 大さじ1
牡蠣 200g
好みで塩
ゆず果汁
生姜の千切りなど少々
作り方
1. 米はといで酒とともに水加減し、牡蠣を加えて炊き上げる。
※少し固めに水加減する方が私は好みです。
※牡蠣の姿を美しく残したい場合は、半分を入れて炊き、蒸らしに入ってから残りの牡蠣を加えてください。
サカイ 優佳子
サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。
関連リンク
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サカイ優佳子の 楽しく 美味しく 未来を創る
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著書
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「超快腸!ドライマンゴーをヨーグルトでもどすだけ!!」
(主婦の友社) -
「乾物マジックレシピ」
(山と渓谷社) -
「毎日食べたい乾物ヨーグルトレシピ決定版」
(世界文化社) -
-
「ヨーグルトでもどす魔法の乾物レシピ 」(主婦の友生活シリーズ)
DRYandPEACE・佐藤 秀美 監修(主婦の友社) -
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「乾物Every Day」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
-
「米粉食堂へようこそ」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
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「いそがしママの楽しい食卓レシピ」
サカイ優佳子著(サンマーク出版)
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「感じる食育 楽しい食育」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(コモンズ刊)
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「世界の料理」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(ポプラディア情報館)
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「しぜんをたべよう!げんきなカラダをつくるたべものたち」
サカイ優佳子他 監修(農山漁村文化協会) -
「米粉ランチ―パスタに、チヂミに、どんぶりになる米粉のレシピ40」
サカイ優佳子・田平恵美 共著(農山漁村文化協会)