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食育のヒント 4月 ひじきのポタージュ

ひじきがHIJIKIになると、、

あるテレビ番組で、和食ではないひじき料理を紹介してほしいと言われ、ひじきのレシピを開発することになりました。ディレクターさん曰く、「2月から4月の大潮の干潮の時にしか採れないというので、日程調整が大変なんです」。乾燥ひじきに旬を意識することはないと思いますが、実はひじきが採れるのはこの時期だけなのです。
乾物の代表選手のようなひじき、「ひじき」と聞いて頭に浮かぶのはひじきの煮物という人が大多数なのではないでしょうか。

実は、ひじきは海外でもHIJIKI。アメリカでも自然食品店などで売られています。自然治癒力の大切さを提唱するアメリカ人医師アンドリュー・ワイル氏も「HIJIKIをよく食べている」とドキュメンタリー映画「地球交響曲ガイアシンフォニー」の中で奥様とともに話していました。

アメリカの著名な料理研究家マーサ・スチュワートさんは、きゅうりと万能ねぎを戻したひじきとあわせてシンプルなサラダにしています。マーサもHIJIKIをヘルシーでほんとうにおいしい!と大絶賛。

ちょっと面白いところでは、「油揚げとにんじんを具にしてHIJIKIの煮物を作り、粗熱をとったら酢とごま油をたらして、パーティーの際に前もって作っておけるサラダ」アメリカのサイトでそんなふうに紹介されているのを見つけました。なんのパーティーだと思いますか?な、ん、と、ハロウィーン。ひじきを、お墓を掘り返した時にわいてくる虫に見立てて、その名も’Worms in Dirt’(泥の中の虫w!?)。ひじきの黒とにんじんのオレンジがまさにハロウィーンカラーというわけです。アメリカでHIJIKIはどんな変貌を遂げていくのでしょうか?

ところで、レシピ開発の依頼をいただくと、まず心がけるのは、「伝統的には、、、」という考えをぬぐい去ること。先入観をはずして食材と向き合うと、今までとは違う発想で料理を組み立てることができます。

4品作った中の一つ。試食したスタッフさんたちが声をそろえて「鮮烈!」と言ってくれたのがひじきのポタージュ。真っ黒なポタージュスープを一口含むと「海だ!」とある人は叫びました。ひじきと椎茸の旨味の相乗効果で、クリームなどを加えることもなく、塩胡椒だけでぴたりと味が調います。そして、とろみづけにはご飯を利用。フランスの伝統的なポタージュの作り方は生の米を具材と一緒に煮てとろみと味の深みを出すというもの。日本の台所にはおそらく一口分くらいはご飯が常にあるだろうということで、ここでは「ご飯」、としました。

材料だけを見ると洋風の料理ができるとは思いもよらないでしょうね。お試しください。

#151 ひじきのポタージュ
材料(2人分)

乾燥芽ひじき 20g
椎茸 2枚
玉ねぎ 1/8個
バター 大さじ1
ご飯 20g
水 400cc
塩、胡椒 各少々
オプション:クコの実 数個

作り方

1. ひじきは、水(分量外)に約30分浸けて戻し、流水で洗ったら水気をよく切る。

2. 椎茸2枚と、玉ねぎ1/8個は薄切りにする。

3. 鍋にバターを入れて溶かし、1と2を入れて中火で5分ほど炒める。

4. 水とご飯を加え、蓋をして強火で沸騰させたら弱火に変え、約5分煮る。

5. 火をとめて塩コショウで調味し、ミキサーなどでポタージュ状にしたら、再び分ほど弱火で煮て器によそい、さっとお湯に通したクコの実を飾る。

サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

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