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食育のヒント 7月 寒天でテリーヌ

今食べているものは何?どうやって作られたの?

「これ、なんだか知ってますか?」
20~30代の男女が多かったある会合で尋ねてみたら、それがなんだかわからないという人の方が圧倒的に多かったのです。

「これ」は、棒寒天。「へえ~、寒天ってこんななんだ~。」
「ところで、寒天ってなにから作られているか知っていますか?」
「小麦粉?」
何からできているなんて考えたこともなかった。そんな声も聞かれました。
正解は海藻。テングサ、そしてオゴノリが混ぜられていることも。
あんみつは食べたことがあっても、透明な四角いものが何からできているかについてわざわざ意識しない、それがもしかしたら普通なのかもしれません。
先日、ある雑誌の編集者から質問を受けました。「子どもの食育について考えておくべきことって何でしょう?」
料理をさせるよりもまずは食卓で言葉がけをして、自分は今何を食べているのかを意識し興味を持つようにすることこそが最も大切なのではないでしょうか、とお答えしました。「今日のお味噌汁の具はな~んだ?」「今日のキュウリはすっごくみずみずしいよね」「イワシのお刺身、脂がのって美味しいね~」たったそれだけのことを毎日続けるだけでも子どもの食への意識は変わります。そして言葉がけをする親自身の意識も。

今食べているものが何から作られているのかがわからなければ、それが生産され食卓にのるまでに関わる「人」に思いをはせることができるはずもありません。食の生産現場と食卓とが離れすぎてしまったとはよく言われます。現地を訪れることはできなくても、どこで作られているのかを意識して買い物をし、食卓でその食材の話題を共有すること、それが日常になれば、たとえ生産の現場を訪れることはなくても、私たちが食べるということがよって立つところを意識することになると思います。

棒寒天の生産者数は、その重労働もあり、全盛期には200軒を超えたのに今や十数軒のみ。まだ身を切るように冷たい海に潜って採らなければならないテングサ。零下20度以下の厳寒でなければできない「干す」という作業。当たり前のように食べている寒天も、多くの人たちの努力によって作られています。

そんな寒天を、フランス、ブルゴーニュの郷土料理を日本風にさっぱりアレンジしてみました。

#154 寒天でテリーヌ
基本のスープ寒天液

[材料]
棒寒天1/2本 
水300cc
スープの素適量

[作り方]
1. 棒寒天は洗い、水に20分以上浸けて戻す。

2. 1の水気をよく絞り、ちぎって分量の水に入れて火にかける。

3. 沸騰したら火を弱め、5分ほどかき混ぜながら完全に煮とかし、スープの素で調味する。

ハムとパセリの寒天テリーヌ(ジャンボン・ペルシエ)

[材料]
●スリムパウンド型(27×5.5×4㎝)1台分
塊のハム 150g
パセリのみじん切り 大さじ5
スープ寒天液 300cc

[作り方]
1. ハムは1.5cm角の棒状に切る。

2. あら熱がとれたスープ寒天液にパセリを加え、よく混ぜる。

3. 水で濡らした型に少量の2を流し入れたところに1を並べ、残りの2を上から流し入れて固める。

サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

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