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Wine Columnワイン コラム

  • 伴良美のオススメ!

飲み頃になるとラベルの色が変わる!?
フレッシュで花の芳香のポルトガルワイン
カメレオン ヴィーニョ ・ヴェルデ2014

ラベルが語るワイン物語

CDやDVDにはジャケ買い、という言葉があるように、ワインもラベルが奇麗なものや、興味深いデザインのものには、つい手がのびてしまいます。実際にワインのラベルは、ワインの歴史やエピソードを伝えるものが多く、そこにはさまざまな情報や物語が隠れています。ラベルのささやきを聞きながらワインを飲めば、いっそう美味しく楽しく感じられることでしょう。

新世代生産者が拓く 斬新なカメレオンワイン

今月はカメレオンという名前のごとく「飲み頃の温度になるとラベルの色が変わる」ユニークなワインをご紹介しましょう! ラベルに描かれたトボけた表情のカメレオン君。常温では薄い緑色ですが、冷えるに従って濃い緑に。そして飲み頃になると、ブルーに変化していきます。

斬新な発想のこのワインは、ポルトガルの若手生産者グループ『ヤング・ワインメーカーズ』のメンバーによって生まれました。2011年に結成したこのグループは、伝統を重視しながらも、若者ならではの柔軟な発想でワイン造りを行い、いま世界的にも注目を集めています。

フレッシュで土地の個性をピュアに表現

彼ら若手グループが目指すのは「EASY TO DRINK」なワイン。これは、「ワインに無駄なお化粧をせずに、その土地の個性を素直に表現していこう」というもの。誰もが親しみやすく食事に合わせやすい味わいである一方で、環境に配慮した栽培と醸造法で、添加物を加えない良質なワインを造ることを信念にしています。

 さらに、ワインの裏ラベルを見てみましょう。そこには6名のメンバーが、一つの自転車を全員でこぐユニークな姿が描かれています。そのイラストには、新しい発想で力を合わせて、ポルトガルワインの未来を拓いて行こうという強い思いが込められています。

ヴィーニョ・ヴェルデ地方伝統「緑のワイン」

さて、このカメレオンワインの生産地は、スペイン国境に近いポルトガル北西部のヴィーニョ・ヴェルデ地方。ヴィーニョ・ヴェルデは別名「緑のワイン」とも呼ばれています。この名がついたのは、色が緑だから、未成熟な若い葡萄を使うから、というわけではありません。この地方はいくつもの川が東西に流れ、温暖な気候と大地を潤す適度な雨量によって緑がたいへん豊か。葡萄畑も、緑濃い森林などの大自然に美しく溶け込んでいるため、緑のワインと名付けられました。

 近年ヴィーニョ・ヴェルデの人気が急上昇し輸出が加速しているのは、現代のトレンドを表現したワインであるからといわれます。食の健康志向が高まる中、アルコール度数も低くローカロリーであること。また青リンゴのような爽やかな果実味に加え、ジャスミンや菩提樹の花のような豊かなアロマをもつため、心にも体にも優しいワインとして特に女性からの人気が高まっています。

春野菜や季節の魚貝 和食とも楽しんで

カメレオンのワインは、ヴィーニョ・ヴェルデ地方の固有品種で、ポルトガルでは貴品種といわれる「アルバリーニョ」という葡萄から造られます。豊かな香りが特徴なので、これからの季節は、同じく香り高い春野菜を使った料理とピッタリです。例えば、菜の花のお寿司やお浸し、うどやふきの天ぷら、新キャベツのパスタやごま和えになどにも。

また魚貝類ともよく合い、魚のフライやソテー、小エビのアヒージョ、魚介のパエリア、さらに甘エビや鯛やヤリイカのお刺身、鰆の西京焼きなど旬の魚介をつかった和食やお寿司もよく合います。カメレオンという名前のように、どんなお料理とも変幻自在に寄り添う柔軟さも魅力。春から夏にむけてぜひ楽しんでいただきたいワインですね。

東急フードショーのおすすめ

カメレオン ヴィーニョ・ヴェルデ 2014
(750ml)1,944円

生産地:ポルトガル ヴィーニョ・ヴェルデ地方
生産者:ヤング・ワインメーカーズ
葡萄品種:アルバリーニョ100%
味わい:無発泡・白・軽やかな辛口

フレッシュで軽やかなワインとして近年注目のヴィーニョ・ヴェルデ。古来からポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデ地方で造られてきた微発泡性の地ワインですが、このカメレオンは無発泡タイプのワンランク上のヴィーニョ・ヴェルデ。若手生産者グループ『ヤング・ワインメーカーズ』が伝統を継ぎながらも、最新の栽培・醸造技術と若い感性によって生まれたワインで、高貴品種といわれるアルバリーニョ100%で造られています。プロュースするのは、ミスター・アルバリーニョと云われた偉大な醸造家アンセルモ・メンデスの愛弟子。リスボン大学醸造学部教授からワインコンサンタルトに転身した、ジョアン・カブラルです。温度調節が可能な最新ステンレスタンクで丁寧に低温発酵、ピュアな果実味とフレッシュな酸、ジャスミンやライチのような豊かな香りをみごとに表現しています。

著者近影

伴 良美(ばん・よしみ)

ライター&ワインエキスパート。映画、食、旅を中心に執筆。ワインと食の情報誌「ヴィノテーク」、北海道新聞、岐阜新聞などの取材記者としても活躍。世界の銘醸地や映画の舞台を訪ねた連載コラムに、フジサンケイビジネスアイ「世界銘酒紀行」「名画の舞台」のほか「男と女 名画とお酒」「シネマの名言」などがある。